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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ~だったのは最初だけ。最強の悪魔女が美少女ハーレムの主になって神々と世界を従えるチートな日常譚~  作者: こみやし
57.白猫少女と三貴子の計画

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57-09.経験不足


「少しばかり極端すぎやしないかしら?」



 メグルがアマテラス様の言葉に待ったをかけた。


 メグルはかつて、マグナと共に複層世界中を旅していた。だからアマテラス様とはまた違った見解があるようだ。



「確かに世界を渡るのは容易ではないわ。誰もが自由自在にとまではいかないでしょう。そんなの当然の話よね」


 そこは認めるのね。



「けどだからって、その技術があなたや私たちの専売特許である筈もないじゃない。当然いるわよ。下手をすれば生身で自由自在に飛び回る厄介な連中だって」


 それもそうね。



「あなたは何を庇っているの?」


 どうしよう。止めるべきかしら。


 メグルが早くも喧嘩腰だ。



「何を誤魔化しているの? そんなに皆の死が受け入れられない? 界賊たちが殲滅されるのは都合が悪いのかしら? 私たちの提案はあなたの計画と相反するものなのかしら?」


 あかん……全部言っちゃった……。



「……何の話だかわからないわ」


 アマテラス様もバレバレな反応しちゃうし……。



「あなたもやることが極端ね。幼稚と言い換えてもいいわ。だってそうでしょう? ウズメがこんなことも知らないなんておかしいんだもの。情報を絞りすぎよ。一般常識すら歪ませるなんて無茶が過ぎるわ。どれだけ都合良く世界を作り変えるつもりだったの? あの簪もそうよね? あれはあなたの仕込みなのよね? 吐きなさい。何を企んでいるの? 私たちは共犯者になれるわ。あなたもそう思っているからこそ私たちを迎え入れたのでしょう?」


「……」


 ……絶対ハッタリでしょ。メグル。


 何よ共犯者って。本当に手を組めるとは限らないでしょ。



「……望みは何よ?」


「別に。私たちはやらかした事の責任を取るために動いているだけよ。具体的な展望なんてありはしないわ。何かやったという実績さえあればそれでいいの。複層世界の安定なんて大それた役目を背負うつもりもない。その手伝いくらいはしても構わないけれどね」


 また極端な物言いを……。


 自分だって人のこと言えないわね。メグルは。



「……」


 けれどアマテラス様の何かを動かすことには成功したようだ。天岩戸がほんの少しだけ動いたのかしら。



「少し休憩を入れましょう。私たちもあっちこっち飛び回ってクタクタよ。誰かにアマノイワトを案内してもらえないかしら? 何日か滞在するから部屋も用意して頂戴」


「……アマノ」


「どうぞこちらへ」


 ウズメとよく似た少女神が先導役を務めてくれるようだ。


 私たちは素直にアマノさんの後に続く。


 アマテラス様は何も言わずに私たちを見送った。




----------------------




「よくやってくれました。メグル」


 ノアちゃん、どうどう。怒りを沈めて。



「なによ。あのまま小春に任せておけばよかったかしら?」


「結局何もわからなかったではないですか」


「そのための種を蒔いたのよ。先ずは腹の内を明かしてもらわないことには先に進みようもないじゃない」


「やり方が姑息だと言っているのです。他に方法はあった筈です」


「私は嘘なんてついていないわ。言葉通り、アマテラスの目論見に手を貸すつもりよ」


「正気ですか?」


「正気を疑われるようなことを言った覚えは無いわね」


 仲良くして~。



「ノアこそ呑気が過ぎると思うのだけど。ここがどこだか忘れているのかしら? アマテラスがそう簡単に私たちを逃がしてくれるとでも思っているの?」


「……まさか」


「相手は強者よ。上位者よ。小春だって勝てるとは限らない存在よ。いつだって自由に振る舞えるとは思わないことね」


「あり得ません」


「小春が負ける筈はないと? 百万の軍勢をいつでも取り出せるから? 取り出すためのスペースは? 練度は十分? 即座に攻勢に移れる? アマノイワトが何千万の勢力を有していると思っているの?」


「……イコルだっています」


「そうね。小春世界にはテルスだっているわ。格だけなら負けてはいないでしょうね。けれど相手は生まれながらの統率者よ。幾度も戦争を経験してきた実戦派よ。軍対軍の戦いこそが主戦場よ。本当にイコルやテルスの力だけで抑え込めるとでも? 向こうにだって幾人もの神々がいるのよ? 中には格も負けていない神が含まれているかもしれないのに?」


「……それこそ極論です」


「そうね。わざとそう言ったもの。けれど最悪を想定して動くのは基本よ。敵味方もハッキリしない相手と交渉する時には、最も気をつけるべきことよ。それくらいなら今更言われるまでもなくわかっているでしょう?」


「……」


「そもそもの話、小春に兵を使い捨てとして切って捨てる覚悟なんてありはしないわ。実戦向きじゃないのよ。あなたたちの考えって。あくまで百万の軍勢ではなく、百万の家族でしょ。一人でも殿として置いていくことは出来ないでしょ。そんなの軍とは呼べないわ。力とすら認識すべきでないわ。ちょっと気が大きくなりすぎていたんじゃないかしら。まさかノアまでそんな風に油断していたとは思わなかったけど」


「……すみません」


 ノアちゃん……ぎゅ……。



「またそうやって甘やかす。まるで私が悪役じゃない」


「ありがとう、メグル。お陰で目が覚めたわ」


「そう。ならよかったわ。後半戦も頑張りましょう」


 無事に始まったらの話だけど。と、メグルは最後に不吉な一言を付け足した。

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