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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ~だったのは最初だけ。最強の悪魔女が美少女ハーレムの主になって神々と世界を従えるチートな日常譚~  作者: こみやし
【第十一部:新秩序構築編】56.白猫少女と準備期間

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56-20.弱肉強食


「仮によ。これは仮の話なの」



 セラフが念を押す程?


 しかもなんか神妙な顔してるし。



「もし仮に、アマテラスとスサノオがただの姉弟喧嘩やプロレスをしているだけなのだとしたら」


 だとしたら?



「それは誰にとってメリットのある話なのかしら」


 メリット?



「例えばプロレスなら、そこには興行としての価値が生まれるわよね。観覧料、賭け金、物販、お金を稼ぐ方法はいくらでもあるでしょうね」


 胴元だと? 抗争も小競り合いも、全ては二人によってコントロールされていると?



「そもそも共通の貨幣制度自体が存在しないわ。この複層世界全体で流通する程のものはね」


 そうだった。メグルの言う通りだ。「賞金稼ぎ」たちは、本当にお金を稼いでいるわけじゃないんだった。



「そうね。貨幣制度が存在しない代わりに、彼らはもっと直接的な糧を得るのよね。つまりは、生き続けるためには敵が必要なのよね。彼らとしては」


 ……そっか。彼らは世界を持たない流浪の民だ。だから安定した供給源を持っていないんだ。力は消費される一方。それを補うために、界賊は滅びかけの世界を襲い、タカアマハラはそんな界賊を襲い、革命軍はタカアマハラや中央から奪おうとする。三者が奪い、奪われを繰り返している。



「一番力の弱い野良界賊共は、タカアマハラにとっても革命軍にとっても、美味しい餌でしかないわけよね。そして当然数には限りがあるわ。無計画に乱獲していいわけじゃない」


 だとすれば……。



「タカアマハラと革命軍の抗争。及びアマテラスとスサノオの共謀。もしこの二つが真実なら、彼らは単純に共食いをしているだけなのではないかしら?」


 これがセラフの結論か……。



「もちろんウズメは知らないわよね?」


「(こくり)」


 アマテラス様の側近であったウズメが知らされていない。表向きには、単純に襲ってくるから返り討ちにしているだけと、アマテラス様はそう言っているそうだ。



「けどそれだっていずれ限界はくるでしょ?」


「どうかしらね。複層世界そのものが着実に終わりへと近づいているのか、或いは世界の外に溶け出した力が、また新たな世界や神々を育むのか。何にせよ、循環はあると思うわ。消費量や回転速度が消費ペースに見合っているのかまではわからないけどね」


「今の話で一つ気になる点があるわ」


「どうぞ、メグル。聞かせて頂戴」


「何故今このタイミングで抗争なんてする必要があるのかしら。滅びかけの世界もそこに集まる界賊も増えているんだもの。そっちを狩り集めた方が楽でいいじゃない」


「そうね。メグルの言うことも尤もだわ。タカアマハラだってとっくに清廉潔白な組織とは呼べないものね。なにせ、滅びかけの世界を糧として取り込んでしまうのだから。人と神を救うと言っておきながら、やることはやっているのよ。界賊王だなんて呼ばれるわけよね」


 アマテラス様が滅びかけの世界から人や神を救うのは、間違いなく善意によるものなのだろう。しかし、ただ食い扶持が増えるだけではいずれ必ず破滅を迎えてしまう。だから滅びかけた世界を丸ごと取り込んで、その一滴まで絞り尽くさせるのだ。世界を維持する力は無くとも、ほんの僅かな人や神を生きながらえさせることは出来るのだから。


 一応アマテラス様の方は、無理強いするわけではない。アカルの世界のように、守護神がノーと言えば手を引いてくれるだけの良識も持ち合わせている。



「そもそも革命軍って何に対してのものなの?」


 セラフが今更な疑問を投げかけた。



「標的は中央世界よ。そう公言しているわ」


「アマテラスは中央世界を守るために革命軍を抑え込んでいるのかしら」


「突っかかってくるそうよ。ウズメはそう言っていたわ」


 単なる姉弟喧嘩の延長という面も本当に無いわけではないのかもしれない。



「例えばよ。共謀が二人の善意によるものなのだとしたら」


 だとしたら?



「革命軍は単なる口実なのかもしれないわね」


「或いは警告?」


「そうね。そういう面もあるのかもね。中央が関与してくるなら、互いに手を取り合って迎え撃つ覚悟はあるのかも」


 それこそプロレスなのかも。衝突しあって均衡を保つことで中央の警戒を弱めつつ、所属する者たちの鬱憤を晴らさせる目的なんかもあるのかも。



「スサノオにも会ってみない? ハッキングするのはその後でも遅くはないでしょう?」


「それこそマズいでしょ。だってアマテラス様に協力を持ちかけるのよ? スサノオとも会って比較しましたなんて、良い気はしないでしょ」


「そもそもスサノオは、明確に中央と敵対しているのよ。テミスだって流石に止めるわ」


「だからあなたたちは思考が固いのよ。もっと自由な発想を持ちなさい。普通に会うんじゃそりゃマズいでしょうよ。そんなことは私だってわかってるわ。だったら口実を考えれば済む話でしょ。たとえ問い詰められたって、堂々としてりゃあいいのよ。理由も聞かずに手を引くようならそこまでよ。縁がなかったと諦めましょう」


 そっすね~。



「乱暴だけど一理あるわ」


「なら次はその方向で考えてみましょう」


 まあそもそも、ハッキングとか言い出した私が言えたことじゃないものね。


 ただそれも、セラフに言わせればコソコソするから悪いって話なわけよね。悪いことするんにしても、せめて言い訳を考えておけって話よね。そっちの方がまだ信頼出来るってものよね。開き直りすぎてもダメだけどさ。

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