56-17.即断即決
「そんなわけで一応声は掛けておくわね♪」
会議も終わり、アレクシアお姉ちゃんとマリアお姉ちゃんに会いに来た。
一応二人にも、私たちの状況を軽く伝えておく事にした。
つまりは、非公式ファンクラブへの勧誘も兼ねている。
「もちろん将来的な話よ♪」
「はいはい。付き合ってあげるわ」
「無論私も構わん」
「ありがとう♪ アレクシアお姉ちゃん♪ マリアお姉ちゃん♪」
やったぜ♪ これで何かあっても万全だ♪
「けどどうせなら、一番が欲しいわね」
「一番? なんの?」
「会員番号に決まってるじゃない」
無茶を言う。
「一番は功労者であるマリオンのものよ」
「わかっているわ。だから新しく作るのよ」
「……マジ?」
「王侯貴族はこちらで受け持ってあげるわ。そこはキッチリ分けなさい。平民と同じルールで動くわけがないでしょ」
仰る通りで。
「本当にいいの?」
「それを判断するのはあなたたちの方よ。あなたの参謀に聞いてみなさいな」
「ありがとう♪ 聞いてみる♪」
ジュジュ。かくかくしかじか。
『おっけ~♪』
判断が早い!
「構わないって。むしろ是非お願いしたいって」
「そう。ならこれはアルカさんからの頼みとして受け取っておくわ♪」
……まいっか♪ ちょっとやらかした気も……あまり変な事頼む気はないよね? 妙な予感を感じるんだけど……。
いやいや。アレクシアお姉ちゃんには散々お世話になってるんだ。どんな変な頼みでも応じますとも♪
「それにしてもこのお菓子、本当に美味しいわね」
「ふっふ~ん♪ 実は専属のお菓子職人さんがいるの♪」
おチョウさんっていうんだけど♪
「あら。その方はアルカさんのご家族なのね。でしたら紹介してくださらないかしら?」
なるほど。そうきたか。
水饅頭はよっぽどお気に召したようだ♪
おチョウさん♪ かくかくしかじか♪
『やらん』
判断が早い!?
「……ごめん、アレクシアお姉ちゃん。本人と直接会うのは難しいけれど、同じお菓子でよければいくらでも用意するって。もちろん他にも注文があれば受け付けるって」
おチョウさん、あんまり国のお偉いさんとは関わらないようにしているのよね。今でこそ一介の和菓子職人みたいなことしてるけど、元々はとある島国の御殿様だし。国に帰れば今でも御老公として健在だし。
今は国交とかもないけれど、遠い未来で何かあるかもわからない。そしておチョウさんはハーフエルフだ。だから最初から用心していた。これもその延長なのだろう。
「あら。残念ね。けれど十分よ。是非ともお願いさせて頂くわ」
「うん♪ 了解♪」
なら早速「ILis」も使って打ち合わせましょうか♪
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「レーネ。後はよろしくね」
「がってんです♪ アルカ様♪」
ふっふっふ♪ 営業のお仕事はここまでじゃ♪ 後はよしなに頼むぞい♪
「アーカ? ごきげん?」
「ええ♪ 今日も可愛いセーレと一緒だもの♪」
「きゃは♪」
うりうり~♪
「きゅきゅっ!? きゅきゅきゅぅ~ん!?」
私とセーレの豊かな胸の間に挟まれた子狐コムギがもぞもぞと這い出そうとしている。
「きゃはは♪」
「きゅきゅっ!?」
セーレはそれが面白かったのか、単にくすぐったかったのか、或いは嬉しすぎて気付いていないのか、より一層私に抱きついて、コムギを包み込んだ。
「……きゅ~」
ありゃ? 窒息しちゃった?
「セーレ。ストップ」
なんかコムギがぐったりしちゃったから。
「……きゅっ!」
なっ!? 死んだふりですって!?
脱兎のごとく駆け出すコムギ。
「えい♪」
「きゅきゅっ!?」
「えぇ!?」
セーレの腕の中にコムギが現れた。
何今の!? セーレが転移を!? それともまさか抱き寄せ魔法を!? 自力で習得したの!?
『ショートカットです。マスター』
え?
『メタモルステッキには予め設定しておいた魔術を瞬時に発動する機能が備わっています。擬似的な抱き寄せ魔法はその一種です。マスター』
なるほど。普通に転移させただけなのね。座標情報はコムギ自身が持ってるメタモルステッキから収集してるのね。
『イエス。マスター』
セーレはコムギをいつでも呼び戻せるように、ショートカット登録を済ませておいたのね。
『はい、マスター。その通りです』
便利ね~♪
「めー!」
「きゅぅ~……」
ちょっと可哀想だけど♪




