パート20
15時ジャスト。開演予定時間。
俺とさちのはステージ上に立っていた。
「どう?どんな感じ?」
「うーん、なんだか変わってない気がする」
「そうね、何かきっかけのようなことがないとダメなのかな」
「ステージから二人して落www…」
「イヤッ」
「やだよそんなの」
「じゃあどうするの、このままじゃあと5分で開幕なんだけど」
「いっそ、このおっさんのまま女装して演奏とか?」
「ダメよ、この体じゃ、あんた、ちゃんとギターの練習してるの?指、プニプニだし、全然動かないじゃない」
「あいや、ちょっとのつもりがついアニメとか見ちゃって…」
「いい歳して自堕落な生活しているから、こんな目に遭うのよ」
「そんなこといったらお前だって」
「あーもうわかったわかった、そこ、”お前ら結婚しろ”じゃないんだから」
部長がずっとこっちをに睨みつけている。怖い。怖いぞ。あとがいろいろ怖い。
「TK学園さーん、あと3分で〜す」
ダメだ。全く気配がない。と、その時、スゥエットのポケットから小さく折りたたんだ紙が出てきた。楽譜だ。クロノ・クロス?
「ああ、それ今日やる予定だった楽譜なんだよな」
「なにこれ超簡単。こんなのもできないの?」
「うるさい、苦手なんだよ、アルペジオ」
すると遠くから、お母さんがあたしを呼んでいた。
「さちのー、あなた、楽譜、楽譜!」
「あ、おかぁさん!」
「え?あんた誰?」
「あ、ちがったちがった、ふじふじぃ!」
俺はおかあさんと思しき人に近寄ると、楽譜を受け取った。
「なにこれ、ぐちゃぐちゃな書き込み。本当に楽譜かよ」
「うるさいわね、吹奏楽ではこうなのよ」
「ふーん」
あと1分で〜す。
「しかたない、もう諦めるしかない、さちのは観客席に、ふじふじはテューバの位置に」
「え?俺?、俺が観客席だよね」
「あたしがテューバを」
あれ?戻ってる。戻ってるぞぉ。
楽譜だった。二人を元に戻したのは楽譜の音符配列であった。パソコンのパスワードみたいな作用だろうか。お互いに再ログインするように意識が切り替わっていた。
俺は急いで観客席に行くと、前の席に座った。
「いやまったく、参ったな。バンドのみんな、怒ってるだろうなぁ」
「ぴろりーん」
ラインメッセージが入っていた
「なにやってたんですか!」
「あとでおぼえてなさいよ!」
「ま、正直いてもいなくても同じでした」
「これで蟠りがなくなりましたね」
「さようなら」
たくさんのメッセージありがとう。
さすが仲間だ。許してくれているみたいだ。
〜それではTK学園による演奏です。曲は、「語るべきは忘却の彼方に〜オーボエのために〜」です。
演奏が始まる。まぁいいか。女子高生の演奏でも聴いて、落ち着こう。いい曲だといいな。
「じゃん!」
「ぶっぽぶっぽぶっぽ」
「ひゅるるるるる〜」
「ばっしゃーん」
「ちゃーーーーーーー」
なにこの曲www?




