↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
19/21

パート19

困った。かえって拗らせてしまったようだ。


「あー、わかりましたわかりました。難しすぎましたね。つまりこう捉えてください」


俺は話を要約する。要約、得意なんだ。仕事上。


「あたしはある男を待っている。さる理由からその男に演奏を是が非でも聴いてもらいたい。そいつは50近いおっさん。恋愛対象でもなんでもない。ヨーロッパの件は正直悩んでいて、返事はすこし待ってほしい」


「わ、わかった。そういうことなら、時間をすこしずらせるか運営に交渉してみる。部員何人かに言って入り口付近で中年の男に声かけするようにいっておくわ」


さすが部長。聡明である。こういう頭のいい人には「整理して伝える」に限るのだ。


俺は自分の容姿を部長に伝えることにした。


「…で、たぶん、黒のスゥエットのパーカーを着ていると思う」


「なんでわかるの」


「休日はいつもそうだって言ってたから」



・・・・・・・・



ゼイゼイゼイゼイ。


「歳をとるってこういうことなのか。全く体が動かない」


あたしは途中の階段に座り込んでいた。あと数百メートルほどで会場だ。でも無理。もう一歩も動けない。


「み、水、水ちょうだい」


「はい、お疲れ様、これ水」


アッコ、アッコじゃない。


階段を見上げた。たくさんの現代音楽吹奏楽研究会、略して「げんすいけん」の仲間が階段の上に並んでいた。


「おーい、おっさ…いや、さちのー!」


「はやくこーい」


「みんな待ってるぞ〜」


「もう怒ってないぞ〜」


「歯磨けよ〜」


誰だ、ドリフなんか知ってるヤツは。担任か?


「サンキュー、アッコ、もう少しがんばる」


「ううん、いいのこれしき。友達じゃない」


あたしは泣きそうになった。変なことで喧嘩なんてしてごめん。これからは真面目にやるよ。


「で、あんた、部長と何があったわけwww?」


「え?俺が?あ、いや。あれ?なんでだろ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。