パート14
「だんだん戻る?アッコちゃん、それどう言うこと?」
「綾小路様でしょ、いや、そのままの意味。だんだんもとのさちのに戻るんじゃないかしらwww」
「そうか、才能が残ってるわけではなくて、入れ替わりから今まで少しずつ戻ってるのか」
「そういうこと、だからよく知ってる曲は何となく思い出せて、最近のが断片的ってこと
」
「なるほど、どれぐらいで戻るものなんだろう」
「そうねぇ、演奏前ぐらい?」
「そんな都合のいいことが…」
「いや待てよ、演奏って何時?」
「15時ぐらい」
「それだ。俺も今日、15時に仲間とバンド演奏する予定だったんだ。何年もエレキ、弾いてなくて、恥ずかしいから、チョット躊躇していたんだよ」
「つまりこういうことね、全く同時刻、同タイミングで、演奏する二人の意思が全く重なってしまい、入れ替わりが起こった」
「そんなバカな!アッコちゃ、綾小路様」
「因果の同期、それこそがこの入れ替わりの真実、つまり、演奏と全く同時刻に同じ場所に二人がたどり着けば、完全に中身が戻るはずよ」
「では何かな?今さちのは?」
「高崎に向かってるんだわ!」
「間違いない、だから少しずつ戻って来てるんだ」
「綾小路様〜そろそろ合わせを〜」
「わかったわ〜」
「そうとなれば、さちのが時間通りにたどり着くことを祈るしかないわね」
「それにかけるしかないか…あっ、ここには重大な欠点が!」
「何よwww」
「俺の演奏は…」
「何とかしなさいよ、もう50なんでしょう?」
「失礼な、まだ48だよ!」




