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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第98話 決戦の日

右太ももの核を破壊するため余力は残していたものの、レイアは大半の神聖力を使い果たしている。

レイアの渾身の一撃で核を一つ壊しアルベルトを弱らせた後、セドリックたちと協力してもう一つの核を破壊する計画だったのだ。


「安心しろ。お前の遺体は永久に腐らないようにして私の部屋に飾ってやる。」

アルベルトは凄絶な笑みを浮かべ、右の手のひらをレイアに向けた。


殺られる!


レイアがそう思った瞬間、アルベルトから放たれた魔力の塊がレイアを直撃した。

「レイア‼」

意識を失う直前、ヨハンの絶叫が聞こえた気がした。


アルベルトが放った凄まじい量の魔力が直撃し、レイアは吹き飛ばされ動かなくなった。

「レイア‼」

ヨハンは大声で彼女の名前を叫び、駆け寄ろうとした。

それを側にいたセドリックが引き留めた。

「先生、駄目です。」

ヨハンはハッとしてセドリックを振り返った。


そうだ、今はこの悪魔を倒すことを最優先とするべきだ。


ピクリとも動かないレイアの身体に一瞬目をやった後、セドリックを見て頷いた。

「そうじゃったな。」


残す核は右太もものみだが、そこには2つ分の核の魔力が宿っている。

良くて相打ちかもしれない。

しかし、後世のためにも、命をかけたレイアのためにも少しでも彼の力を削いで終わりたい。


全戦力でその核を攻め、悪魔を滅する。


セドリックの指揮のもと、聖騎士と神官たちがアルベルトに向き直った。

そんなヨハンたちを見てアルベルトはあざ笑った。

「レイアならともかく、お前たちが束でかかってきても私には適うまい。もう、飽きたから直ぐに片づけてやる。さあ、まとめて来い。」

恐らく彼の言う通りなのだろう。


じゃが、命を懸けて戦ったレイアの前で無様な姿は見せられん。

しばらくベルナーに出てこれないくらいのダメージは与えないと・・・。


ヨハンはセドリックに目配せをした。

セドリックは笑顔で頷いた。

「先生はずっと私の憧れだったんですよ。最期に共に戦うことが出来て光栄です。」

「そうか・・・」

ヨハンも二ッと笑った。

そして2人は神聖力を手元に集めようと集中し始めた瞬間、突然アルベルトがのけぞり絶叫した。


「うおおお・・・!」


見ると、その太ももには銀に輝くダガーが深々と刺さっていた。

核からは黒いもやが勢いよく噴き出し、辺りに散らばっていった。

信じられないというような驚愕の表情を浮かべたまま、アルベルトの身体は突然サラサラと砂になり崩れ去った。


「終わった・・・?」


あまりにあっけない幕切れに、セドリックが茫然とつぶやいた。

ヨハンはそれを聞き、ハッとしてレイアの方へ顔を向けた。

すると半身を起こし右手をアルベルトの方へ差し出した体勢だったレイアが床に崩れ落ちていくのが見えた。




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