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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第91話 王家の意思

「王家の意思?」

大仰な単語にレイアの顔に緊張が走った。


「セドリック大神官やヨハン神父が神殿に保管されていた古文書を持って、父上に直訴に来た。」

「古文書・・・」

この1か月、古い文献は山ほど読んだ。


どれのことだろう?


首をかしげたレイアに、エルフリードが説明してくれた。

「800年前の神官の手記と1200年前の勇者の剣のものだよ。あとは神聖力についての文献かな。セドリック様と先生と僕で選んだんだ。」


「そう、それらの文献と共に大神官からの説明があった。まず、神聖力は死の瀬戸際となる限界値まで使いきると蘇った時に能力が倍増するというものだ。」

限界値を試そうとする者が現れ死者がたくさん出たため、それを記した古文書は神殿に封印された。

そのため、今ではその事実はほとんで世間に知られていなかったのだ。


「そして、もともと膨大な神聖力を有していたレイアが前回の戦いで元の力の数倍の神聖力を手に入れたことを説明された。」

それは事実だ。

レイアは頷いた。


「次にベルナー王国を度々襲う暴虐と破壊の悪魔についてだ。歴史を見ると奴は気が向くと定期的にベルナーに現れては、厄災をばらまいている。大きなダメージを与えたところで、力が回復すればまた現れることを繰り返している。国の未来を考えれば、完全に祓魔するに越したことはないと力説された。」

出来ればの話ではあるが、それもその通りだろう。


「そして現在ベルナーにはレイアという稀有な神聖力の使い手がいるから、悪魔を倒すのならば今しかないと訴えてきた。」

その言葉にレイアは緊張した面持ちでフェリクスを見つめた。


「最後は聖剣についてだ。本気でかの悪魔を倒すには万全を期する必要がある。聖剣がレイアを認めるのであれば、剣を貸して欲しいと申し出てきたんだ。あれはベルナー王家の象徴であるし、その申し出には父上も最初は渋い顔をされたんだ。」

それはそうだろう。

レイアはそう思いながら話を聞いていた。

「そうしたら、次はクルム侯爵家の家系図を出してきた。侯爵家には王家の血が入っていると言われてな。それを聞いて、私やマルクスが大神官たちの意見に賛同し、父上も最終的に納得して下さった。」


そんな経緯があったとは・・・。


きっとエルフリードやヨハンが説得材料をいろいろ考えてくれたのだろう。

「こういった経緯で聖剣をレイアに預けることになったわけだ。ベルナー王国としては破壊の悪魔を祓魔することは、建国来の国の悲願だ。万が一、戦いで剣が破壊されるようなことがあっても、レイアが罪に問われることはない。存分に力を奮ってくれたらいい。」

「フェリクス様・・・。」

「これは私個人で言っているのではなく父上も同意している。王家の意思だと思ってくれ。」

きっぱりと言い切ったフェリクスに、レイアは姿勢を正し頷いた。

「ありがとうございます。ご期待にお応えできるよう全力を尽くします。」


「聖剣のこと以外に必要なものがあるならば王家も協力したいと思っている。今思いつかないようなら、後から言ってくれてもいい。」

フェリクスにの言葉にレイアは笑顔で頷いたのだった。




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