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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第88話 鍛錬の日々

レイアは息をのんだ。

「複数の命?」


『核を一つ壊すのに神官10~20人分の命を犠牲にするほどの神聖力が必要となる。先日の戦いで左腕の核を破壊することが出来たが、それを成し遂げるために最終的に神官72人が犠牲となった。』


「72人・・・。」

今、大神殿にいる神官は150人ほどだ。


『今回はそれで魔界に追い払うことができたが、魔力がある程度回復すれば彼はまた人界に現れるだろう。あとは左胸と右太ももの核の2つだ。我々は彼が蘇るまでに、それを破壊する力と戦略を持たねばならない。』


「左胸と右太もも・・・」

800年前と同じ人数の神官が必要だとすると、彼の2つの核を壊すために144人の神官が犠牲になることになる。

そんなことになれば、大神殿は立ち行かなくなるだろう。


「見ようと意識して神聖力を使うと、彼の身体のどの場所に核があるか見えるようになるみたいだよ。」

エルフリードが説明してくれた。


レイアはその本の他の部分にも目を通そうとパラパラとページをめくり始めた。

「レイア」

ページをめくるレイアの手にエルフリードが上から自分の手を添えた。

レイアは顔を上げ、エルフリードを見た。

「どうしたの?」


「僕には悪魔と戦えるような神聖力はないけど、こうやって文献を調べたりして協力することが出来る。君が何でも一人でやろうとすると身体や心に負担がかかりすぎて、いつか破綻するよ。もっと、僕やクララや先生を頼ってほしい。」

「エル・・・」

レイアの目がうるんだ。


「文献は僕が調べるよ。君に知らせた方がいいと思った情報を見つけたら、今みたいに君に見せるから、レイアはレイアにしか出来ないことをして。休息も大事だよ。いいね。」

そう言ってエルフリードはレイアを抱きしめた。


エルフリードに抱きしめられ、張り詰めていたレイアの緊張がゆるんだ。

「ノアの命を犠牲にして生きている自分が許せないの。身体や頭を動かしてないと気がおかしくなりそうで・・・。」

「ノアはただ純粋に君の幸福だけを願っていた。今の君の状態を見たら、彼が悲しむよ。」

ハラハラと涙を流すレイアの額にエルフリードが口づけを落とした。

レイアはエルフリードの胸に顔を押し付け頷いたのだった。



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