表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/107

第84話 人界からの迎え

「魔界に着いた時、庭園にいたでしょう?あの庭園の中にある大木のうろが人界に繋がってるんですよ。」

ノアと散策に行くときも、そこは何回も通ったことがあった。

「そんなところに門が・・・。」

レイアは驚きながらノアの話を聞いていた。


「人だけで人界へ戻るには、向こう側から引っ張ってくれる人が必要なんです。それはクララにお願いしました。」

ノアの言葉にレイアは耳を疑った。

「クララと連絡が取れたの?どうやって?」


「クララの髪があったでしょう。あれを媒介に彼女の夢に接触したんですよ。」

そんなことが可能なのか?

レイアは目を見開いてノアを見た。


ノアは苦笑しながら頷いた。

「あの城の書庫は知の宝庫です。神官や学者が見たら垂涎ものだと思いますよ。」

「知の宝庫でも、それを理解して使いこなせなければ意味がないわ。ノアってすごいのね。」


満面の笑みでレイアに褒められ、ノアは少し赤くなった。

「僕は神聖力はクルム家の中では標準くらいでしたけど、学ぶのが好きだったから・・・。」

見た目は大人でも、姉に褒められ照れる姿はまだ少年のようだった。


そうだ。私も外見に引っ張られて接していたけど、この子はまだ13歳の子供なんだわ。


レイアは無性にこの弟が愛おしく感じ、抱きしめてあげたくなった。

「悪魔のことがなければ、あなたは立派なクルム侯爵になったでしょうね。クルム公爵家の分家を作れないか、戻ったら王宮に掛け合ってみるわ。」

レイアの言葉にノアは淡く微笑んだ。

「ありがとう。姉さま。」


城の中で影とすれちがったが、2人の様子がいつもと変わらなかったからか何事もなく通り過ぎていった。

庭園の方へ抜け、少し歩くと大きな噴水が見えた。


ここに着いたばかりの時、あの噴水が見えたわ。


気が急いて歩くペースが速くなった。

そして噴水の近くまでくると、小さな声で名前を呼ばれた。

「レイア。」


そこには会いたくてたまらなかった人がいた。

「エル!」

エルフリードは噴水の近くの大きな木のうろの中にいた。

「レイア、静かに・・・。」

エルフリードに注意されレイアは自分の口を押えた。


エルフリードはレイアを見てホッとした表情を浮かべた後、ノアを見て少し驚いたように目を見開いた。

「弟のノアよ。事情があって成長したんだけど。」

レイアが慌ててノアを紹介した。

エルフリードとノアはお互い少し気まずそうな表情を浮かべつつ軽く会釈をした。


「姉さま。早速ですが、今から彼の血を引きはがす儀式をしましょう。」

その言葉にレイアは表情を引き締めた。

「ええ、どうすればいいの?」

「エルフリード様。姉さまを押さえていて下さい。」

エルフリードは頷いた。

「レイア、おいで。」

レイアがうろに近づくとエルフリードは背後から彼女を抱きしめるようにして抱えた。


ノアは懐から小刀を取り出した。

レイアはそれを見て、少し身体を震わせた。


痛いのかしら・・・?


レイアの予想に反し、ノアは小刀で自分の左手の指に傷をつけるとレイアの口元に差し出した。

「姉さま。なめて。」

その言葉を聞き、レイアは目を見開きノアを見た。


なぜ、レイアから悪魔の血を取り除くのにノアが自分を傷つける必要があるのか?

「ノア、まさか?」

ノアは真剣な顔で頷いた。

「僕の血と彼の血が混ざった姉さまの血を交換するんですよ。さあ、早く。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ