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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第71話 予期せぬ来客

「アハハ。僕はそんなに父上と似ていますか?」


父上・・・?


レイアが茫然と男を見つめていると、彼が再び口を開いた。

「お久しぶりです。レイア姉さま。僕を覚えていますか?」

レイアを姉と呼べる者は2人しかいない。


「ノア・・・?」

まさかと思いながら名前を呼んでみる。

「正解です。」

ノアは薄く笑いながら、パチパチと手を叩いた。


「その姿は?髪の色も・・・。」

最後に聖堂で会ったノアは13歳の少年だった。

華奢な彼は、一見すると少女の様にも見えた。

それに顔立ちこそルイスやレイアに似ていたが、ソフィアのような輝かしい金の髪をしていた。


「数か月前でしょうか?レイア姉さまが彼に大怪我を負わせたのは・・・。魔力を削がれ弱った彼に僕の30年分の寿命を奪われたのですよ。」

「彼・・・」

彼とはアルベルトのことだろう。


しかし、まさかノアが生きていたとは・・・。

「ソフィアは?ソフィアも生きているの?」

寂しそうだったマルクスの顔が思い浮かんだ。

ソフィアが生きているなら彼に教えてあげたい。


「姉上は、あの直後に生気をすべて吸われ亡くなりました。」

「なぜ・・・?」

驚きのあまり言葉が出ないレイアの考えをノアは正確に理解したようだ。


なぜソフィアは亡くなり、ノアは生きているのか?

なぜ髪の色が変わっているのか?

そして、なぜ今ここに現れたのか?


ノアは苦笑した。

「姉さまもうすうす気づいているのでしょう?彼のクリスティーナへの執着を。」

その言葉にレイアは青ざめた。

身に覚えがあるからだ。


「あの日、聖堂から魔界にある彼の城に飛んですぐ、姉上は生気を吸われ亡くなりました。次は僕の番だと覚悟を決めましたが、彼が僕の顔を見て言ったのです。」


”お前はクリスティーナに似ているな。よし、私の気が変わらない間は生かしてやろう。”

そしてノアの髪の毛を鷲掴みにした。

”この顔にこの色は似合わないな。”


「気付いた時には僕の髪の色は銀色になっていました。それから僕は彼の城で小姓のような仕事をしながら一緒に暮らしていたんです。ああ、姉さまの話もよく出ていましたよ。王太子殿下に求婚されたそうですね。」


彼の話を聞きながら、レイアは痛まし気な表情でノアを見た。

13歳の少年が一人で魔界に放り込まれ、どれ程心細く恐ろしかったことだろう。

しかも、いつ自分を殺すか分からない悪魔と一緒なのだ。


レイアの表情を読んだのか、ノアが朗らかに笑った。

「最初の頃こそ、姉上が生気を吸われる姿を見て恐ろしかったですが、彼はそんな悪い主人ではなかったですよ。理不尽に怒ったりしませんし。むしろ、姉上の方がヒステリックで嫌な主人だったんじゃないでしょうか。」


「それなら、なぜ今日ここに現れたの?」

ノアはクスクスと笑った。

「姉さまも本当は分かっているのでしょう?彼の命令であなたを迎えに来たんですよ。」





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