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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第70話 予期せぬ来客

神聖力の測定から程なくして新しく誕生したクルム公爵を祝う会が王宮で開かれた。

普段は、新年の祝賀会などで王族のみが立つことが許される王宮のバルコニーに、レイアが立ち、集まった民衆の前で就任の挨拶を行った。

王宮に現れ王太子を襲おうとした悪魔を命を賭して戦い死にかけ、生死のふちを彷徨い生還した救国の乙女。

その彼女の門出を祝うため、その日は国全体で祭りのような騒ぎになっていた。


                ※

そうしたお祭り騒ぎがようやく落ち着いてきた頃、レイアは新居に引っ越しをした。

良い思い出のない旧クルム侯爵邸とは別に王都に新居を構え、エルやクララと一緒にそこでの生活を始めた。


父であるクルム前侯爵や妹弟の喪が明けるまでは婚姻することが出来ないため、エルフリードは今は婚約者という立場だ。

父に悪魔の生贄にされた幼少期からレイアを支え純愛を貫いた貴公子として、エルフリードは女性から絶大な支持を集めていた。

誰もが、レイアとエルフリードの婚約を祝ってくれていた。


そんなある日の夕方、レイアは新クルム公爵邸の自室から一人ぼんやりと庭園を眺めていた。


大好きなエルやクララと同じ屋敷で暮らし、ヨハンのいる大神殿との距離も近い。

王族に継ぐ至高の地位まで昇りつめ、人から羨まれる人生だと言われている。


でも、この何ともいえない不安は何かしら?


今が幸せであることは間違いないはずなのに、ふとした瞬間に言いようのない不安を感じることがあるのだ。

「ハア。考えすぎかしら。」


今まで生贄にされたり悪魔と戦うはめになったり、大きな困難に襲われすぎて神経質になっているのかもしれない。


ぼんやりしているうちに日は沈み、周りは暗くなっていた。

「今日は新月なのね。」

暗くなり見えにくくなった庭園に目をやり、レイアはぽつりとつぶやき部屋のカーテンを閉めた。


「そうですね。あの日も新月でしたね。」


突然、部屋の中に聞き覚えのない男性の声が響いた。

「誰?」

レイアはパッと振り返り、声がした方へ顔を向けた。

「!」

そこにはあり得ない人物が立っていた。


「クルム侯爵・・・」

スラっとした身体つきにレイアとよく似た銀髪碧眼のその男は、まさしくルイス・フォン・クルムその人だった。


彼は処刑されたはずでは・・・?


愕然とした表情を浮かべたレイアを見て、男性は可笑しそうに笑った。


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