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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第69話 神聖力の測定

それからの日々は慌ただしいものだった。

体調を見ながらリハビリを重ね、要人との面会や書類仕事をこなした。


そして目覚めてから1か月ほどたち、ようやく体調が戻り周囲の状態も落ち着いた頃、ヨハンから呼び出しがあった。

「死にかける一歩手前まで神聖力を使い果たすことなど前例があまりないからのう。」

ヨハンの言葉にレイアは神妙な表情で頷いた。


王宮で意識を失ったレイアの元にヨハンが駆け付けた時には、神聖力がほぼ感じ取れない程まで枯渇していたそうだ。

一度枯れた神聖力がどうなっているか。

その測定のため大神殿に呼び出されたのだ。


「覚悟はできています。」

救国の乙女の再来として国中の期待を集めていることは知っているが、悪魔との戦いでその力を使い果たしたと発表しても皆の納得は得られるだろう。

今まで呼吸をするように使っていた力が無くなるのは寂しいが、神聖力が無くなっても生きることに問題はない。


セドリック大神官に促され、レイアは大水晶に手を当てた。

その瞬間、目を開けているのがつらい程の眩い光が水晶から放たれた。


「なんだ、この桁違いの神聖力は!」

セドリックをはじめ、ヨハンや他の高位神官たちも驚いている。

光が治まっても見せつけられた力のあまりの大きさに茫然とし、他に声を発する者は誰もいなかった。

最初に言葉を発したのはセドリックだった。

「死ぬ手前、極限ギリギリまで神聖力を使い果たせば、戻る時には反発が起こり元の上限を超え回復するということか?」

「確かなことは言えんが、その可能性はあるのう。」

ヨハンがそれに同意した。


意識を取り戻してから、今までは体調が良くないこともあり極力神聖力を使わないようにしていた。

今回は測定ということだったので、久しぶりに全身の神聖力を感じ取り手に集中するよう意識した。

今回の測定がきっかけで神聖力の巡りが良くなったことも関係しているかもしれないが、一度意識すると確かに以前より多くの力が身体中をめぐっていることが感じられた。


「この神聖力は初代の乙女をはるかに上回るものだろう。公爵の陞爵(しょうしゃく)も決まっているし、残念ながら君を大聖女として神殿に迎えることは出来ないが、必要な時にはぜひ神殿の方にも力を貸して欲しい。」

セドリックの言葉にレイアは笑顔で頷いた。

「はい。神殿にはご恩がありますから、出来る限りの協力はさせていただきたいと思っています。」




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