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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第67話 フェリクスとの対話

翌朝、マルクスがレイアの部屋を訪れた。

「レイア、おはよう。」

「おはようございます。」


挨拶を返したレイアは昨日より顔色は良さそうだ。

「昨日は長い時間エルやヨハン神父と相談していたんだってね。体調の優れない時にせかせて申し訳なかった。」

「いいえ。今後のことについて話し合ういいきっかけになりました。自分の中でこれから人生の道筋がはっきりできてよかったです。」

「そう言ってもらえると、僕も気が楽になる。・・・じゃあ、行こうか?」

「はい。」

マルクスの言葉にレイアは緊張した面持ちで頷いた。


               ※

コンコン


執務室の扉をノックする音にフェリクスは顔をあげた。

「兄上。僕です。」

「マルクスか。入っていいぞ。」


カチャという音と共に弟のマルクスが入ってきた。

一人かと思いきや、後ろにもう一人女性が続いた。

「レイア・・・」

フェリクスは目を見張った。

しばらく茫然と見つめた後、ハッとした。


「その・・・、身体はもう大丈夫なのか?」

「ええ。体力は落ちていますが、具合の悪い所はありません。ご心配をおかけしました。」

笑顔で答えるレイアに、フェリクスは少し逡巡した後ソファを勧めた。


レイアがソファに座ったのを見届け、マルクスが口を開いた。

「今日はレイアが兄上と話がしたいということですので、僕はこれで失礼いたします。」

そしてフェリクスが反論する前に、扉の前に立っていたマルクスはスッと部屋の外へ出て行ってしまった。


部屋の中に2人で取り残され、何とも言えない微妙な空気が流れた。

フェリクスが意を決したように執務用の椅子から立ち上がり、レイアの方へと近づいてきた。

一瞬レイアはビクっと身体を震わせたが、神殿の時とは異なりフェリクスは向かいのソファに腰かけた。


「そんな怯えないでくれ。以前のことは申し訳なく思っている。あの時は君を手に入れたい一心で、視野が狭くなっていた。」

フェリクスの謝罪に、レイアはホッと息をはき微笑んだ。

「マルクス殿下から、悪魔のせいで意識がはっきりしない時もあったと伺っています。過去のことは気になさらないで下さい。」


レイアの言葉にフェリクスも笑顔を浮かべた。

「ありがとう。全てが許されたとは思わないが、少し気が楽になったよ。ところで早速だが、今日はどういった要件でここに来たのか教えて欲しい。」

罵倒されようが、何を言われようが受け止めるつもりなのだろう。

フェリクスは覚悟を決めたように真っ直ぐにレイアを見つめた。



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