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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第61話 悪魔との戦い

クリスティーナ・・・?

私と救国の乙女を混同しているの?


先ほどからアルベルトのレイアに対する執着のようなものを感じてはいた。

それは今は亡きクリスティーナに対する感情が、レイアに置き替えられているだけなのかもしれない。

しかし、クリスティーナの代わりであろうとなかろうと、アルベルトが本気でレイアを魔界に連れて行こうとしていることは分かった。

レイアを抱きしめるアルベルトの腕に力がこもった瞬間、レイアは恐怖に囚われた。


魔界になんて行きたくない!

エル、クララ、ヨハン先生・・・助けて!


心の中で必死に助けを求めた。


その時、首元にかかるロザリオから熱を感じた。

胸元に目をやるとロザリオが淡く光っていた。

「クララ!先生!助けて‼」

レイアが大声で叫ぶと、ロザリオの光が強くなり眩い光を放った。


「なんだ?これは!」

レイアを拘束していた茨がほどけ、彼女を抱きしめていたアルベルトも腕を放した。

「乳母のロザリオか。忌々しい・・・。」

アルベルトはレイアの胸元を睨みつけた。

一方、レイアはロザリオを両手で握り締めアルベルトへと視線を向けた。


クララ、先生。力を貸してください!


全身全霊で神聖力をかき集めアルベルトに向けて放った。

近距離でまともに攻撃を受け、アルベルトははじき飛ばされ部屋の壁に激突した。

神聖力を浴びた身体のあちこちから黒い霧のようなものが噴き出している。


「貴様・・・。無傷で魔界に連れて行こうと思っていたが、気が変わった。悪い子にはしつけが必要だ。」

起き上がりながらアルベルトは両手を突き出した。

今までの細い茨とは異なり、黒く禍々しい太い鎖がその手から現れた。

鎖は意思を持っているかのごとく、レイアを目指してスルスルと伸びてくる。


力を使い果たし茫然と立ち尽くすレイアを鎖が捕らえようとした瞬間


「レイア!」


エルフリードがレイアを突き飛ばした。

鎖はレイアの代わりにエルフリードに巻き付いた。

鎖の巻き付いた部分からエルフリードの身体は黒く変色し、激痛にエルフリードは苦悶の表情を浮かべた。


「エル!いや!」

レイアは叫びながらエルフリードに駆け寄り、巻き付いた鎖を手で外そうとした。

鎖に触れた手が焼けるように熱くなる。

「神様、クララ、先生・・・エルを助けて下さい!」

無我夢中で神聖力を放ち鎖を引きちぎった。

鎖から解放されたエルがその場に崩れ落ちた。

「エル・・・、大丈夫?」

エルフリードの眉間には苦しそうにしわが寄り、呼吸は浅く額にはあぶら汗が浮かんでいた。

鎖の触れていた部分は焼けただれており、意識も失っていた。


「許さない!!」


レイアの怒りは頂点に達し、これまではずっと意識していた神聖力の限界値のことなど頭の中から吹き飛んでしまった。

自分の生命エネルギーを含め持てる力のすべてを怒りの神聖力に変えアルベルトに向け解き放った。


「うわあああ!」


アルベルトの身体は眩い光に包まれ、大きな叫び声が聞こえた。


レイアの意識はそこで途切れた。



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