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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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106/107

第106話 神聖石

その後、レイアは新公爵としての仕事に忙殺されることになった。


貴族としての常識にも疎く新しく学ばないといけないことも多かったが、そこはエルフリードやノアが支えてくれた。

それに神殿からの要請も多かった。

大きな行事には必ず呼ばれたし、魔物討伐に駆り出されることもあった。


そんな忙しい中でもレイアとエルフリードの間には2男1女の子供に恵まれ、笑顔のあふれる幸せな家庭が築かれた。


エルフリードはレイアを支える一方で、ノアが人に戻る方法をアルベルトの書庫で探すことにも力を注いだ。

根気強く調べる中で、遂に神聖石に魔力を吸い取る力があるという文献を見つけた。

神聖石とは神聖力の測定で使われる貴石だ。


アルベルトの高純度の魔力を吸えるような神聖石は特に貴重で、レイアがその地位と財力を使い国内外から買い集めた。

急速に魔力を込めると石が割れ、石に貯めた魔力がノアに戻ってしまう。

ゆっくりでも石の容量を少しでも超えると石が壊れてしまう。

小さな石ではすぐに容量を超え壊れてしまう。


様々な大きさの石や方法を試した結果、大神殿にあるような国宝級の大きな神聖石にゆっくりと魔力を流し込むという方法しかないということになった。

そして、レイアが手に入れることが出来た神聖石で最も大きなものにノアの魔力を全て移すのにおおよそ300年かかるとの試算が出された。


破壊の悪魔の魔力を持つことが知られると、ノアを討伐しようとする者が現れるかもしれない。

ノアはクルム公爵邸の中にある秘密の部屋で、毎日神聖石に魔力を流し込む作業を続けた。

触れ合うのはレイアとその家族、後はクララやヨハンだけだった。


制限のある生活だったが、敬愛する姉夫婦との生活にノアが不満を抱くことはなかった。


そうして、平穏に月日は流れていった。


                ※


その後、ベルナー王国には悪魔に襲撃されることもなく長きにわたり平和が続くことになる。

王国を救った”救国の乙女”と呼ばれる女性はベルナー王国の歴史上2人存在したが、クリスティーナは”初代”と呼ばれ、”救国の乙女”と言うとレイアのことを指すと国民には認識されていた。


そして歴史書には高い神聖力を保持していたレイアは悪魔を倒した後、長命で幸せな人生を送ったと記されていたのだった。



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