第104話 結婚式
パレードの後は王宮で祝賀パーティーが催され、レイアとエルフリードの2人が公爵邸に戻った時にはすでに深夜となっていた。
新クルム公爵邸にも新しい聖堂が建てられており、屋敷に着くなり2人はそちらへ向かった。
キイッ
レイアが聖堂の扉を開けると、暗い聖堂の中にノアが一人ポツンと立っているのが見えた。
レイアの姿を見るとノアは表情を明るくし笑顔になった。
「やあ、姉さま。義兄さん。ご結婚おめでとうございます。」
ノアの声に反応し、聖堂内が明るくなった。
聖堂の壁や天井に星がまたたき始め、室内なのに満点の星空の下にいるような気分になった。
「きれい・・・」
レイアは壁や天井に光る星を見てうっとりとつぶやいた。
「レイア、行こう。」
エルフリードがレイアをエスコトートしようと腕を差し出した。
レイアは頷き、その腕に手をかけた。
前を見ると奥の方にいたのか祭壇の前にセドリックの姿が見えた。
左右の座席にはヨハンとクララも座っていた。
聖堂の中央通路には赤いビロードがひかれ祭壇まで続いていた。
2人はその上をゆっくり歩み、祭壇の前まで進んだ。
2人が祭壇の前に並ぶと、セドリックが神聖経典を持ちながら厳かな声で問いかけた。
「これから若き2人の結婚式を取り行う。新郎エルフリード・フォン・フェルゼンシュタイン。あなたはレイア・フォン・クルムを妻とし、健やかなる時も 病める時も喜びの時も 悲しみの時も富める時も貧しい時もこれを愛し 敬い 慰め合い 共に助け合いその命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います。」
「新婦レイア・フォン・クルム。あなたはエルフリード・フォン・フェルゼンシュタインを夫とし、健やかなる時も 病める時も喜びの時も 悲しみの時も富める時も貧しい時もこれを愛し 敬い 慰め合い 共に助け合いその命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います。」
2人の宣誓が済み、セドリックが告げた。
「では、指輪の交換を」
その言葉にレイアは目を瞬かせた。
2人の結婚指輪はロザリオと共にアルベルトの魔力によって真っ黒に変化してしまった。
セドリックもそれを知っており、この工程はとばすはずだった。
ついうっかりいつもの流れで言ってしまったのだろうか。
レイアがそう思っていると、ノアが後ろからトレイを持って2人に近づいてきた。
白いシルクが貼られたそのトレイには指輪が2つ乗せられていた。




