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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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103/107

第103話 結婚式の日

そして悪魔討伐から3か月。

レイアとエルフリードの結婚式の日を迎えた。


「お嬢さまはご存じですか?町では悪魔を完全に祓魔したお嬢様のことを”救国の乙女”と呼んで、クリスティーナ様は初代様と呼ぶそうですよ。」

ウェディングドレスの着付けを手伝いながら、クララがそんな話をしてきた。


「へえ、そうなの?」

今回の戦いの前までは”新救国の乙女”とか”乙女の再来”などと言われることが多かった。

「ふふ。お嬢さまは呼ばれ方なんてどうでもいいと思ってそうですけど、私は乳母としてとても誇らしいんですよ。だって”救国の乙女”といえばベルナーの男性なら子供の頃に一度は憧れを抱く存在です。若い頃のレイアードもそうでした。」


自分のことのように嬉しそうに笑うクララに、レイアは少し赤くなった。

「そんなこと言われたら少し恥ずかしいわ・・・。」

照れるレイアを見てクララは笑みを深めた。

「さあ、出来ましたよ。お嬢さま、とても綺麗です。」


クララに促され、レイアは鏡に映る自分の姿を見た。

白地に金糸で精緻な刺繍が施されたウェディングドレスは救国の乙女や聖女を連想させるものだった。

聖女の正装よりスカートはボリュームがありデザインも華やかだったが、華美すぎないそのドレスは清楚で凛としたレイアに良く似あっていた。

美しく装い化粧も施されたレイアは、自分でも驚くほど綺麗になっていた。


「式が始まったら忙しくてゆっくり話す時間も無いと思うので、先に言わせてください。ご結婚おめでとうございます。こんな平和で幸せな日を迎えることができるなんて私も夢のようです。エルフリード様とお幸せに。」

柔らかく微笑むクララにレイアは泣きそうになった。


クララはレイアが幼い頃から彼女が生贄であることを知っていた。

おそらくこの一連の出来事の中で一番長い時間苦しんだ人物になるだろう。

「ありがとう。おかあさん・・・。愛情たっぷりにここまで育ててくれて感謝してます。」

クララはその言葉に目を見開いた。

目尻には涙が浮かんでいる。

そして両手で顔を覆い、無言で頷いたのだった。


                  ※

大神殿で挙げられた結婚式には国王夫妻や王子2人を筆頭に、大臣や重鎮の貴族はもちろん大勢の人々が参加した。

そして式の後には王都の大通りを馬車で回るパレードも行われた。

つめかけた群衆の数は歴代の王族の結婚の時よりも多かったと言われ、歴史に残る盛大なパレードとなった。



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