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悪魔の生贄が救国の乙女になるまで  作者: らな


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第101話 決戦後の聖堂にて

「ああ、話は後でしましょう。姉さまの治療が先です。」

ノアは表情を引き締めた。

エルフリードも頷き、身体をずらした。

ノアはレイアの方に歩み寄り、彼女の側に膝をついた。


「エルフリード様。聖剣をどけていただけますか?」

「えっ?あ、ああ。」

ノアに言われ、エルフリードは少し戸惑いながらレイアの胸の上に置かれていた聖剣を手に取った。


聖剣が無くなると、ノアは直接レイアの胸にそっと手を置き目を閉じた。

しばらく動かずそうしていたが、徐々に青白かったレイアの顔に赤みが戻ってきた。

エルフリードもホッとした表情を浮かべ2人を見ていた。


「姉さま。僕の声が聞こえますか?」

ノアが少し大きな声でレイアに話しかけた。

「ん・・・、だれ・・?」


レイアはそう言いながら、薄く目を開けた。

「・・・ノア?良かった。元の姿に戻れたんだ。・・・ああ、私も死んだのね?ここは天国なの?」

少年の姿のノアを見て、レイアは目を瞬かせた。


「違います。ここはうちの聖堂ですよ。死んだのはアルベルトです。」

ノアの言葉にレイアは自分が意識を失う前のことをハッと思い出した。

僅かに残った神聖力で、かろうじて聖剣をアルベルトに投げつけたのだ。


悪魔が死んだ・・・。


その言葉がじわじわとレイアの中に染み込んできて、自然と涙が浮かんだ。

「よかった・・・。」

戦いに勝利した喜びや、自分の役目を果たせてホッとした気持ちなど様々な思いが込み上げてきた。


「レイア」

エルフリードの声が聞こえた。

「エル?」

意識が朦朧としていたため、先ほど会った記憶はレイアにはない。

聖騎士や神官以外は聖堂には入れず、エルフリードは本館の方にいたはずだ。

そう思い、レイアは不思議そうに彼の名前を呼んだ。


「君のと対になっている指輪が突然光ったんだ。暗い色で点滅した後に真っ黒になった。レイアに何かあったと思ったから、あわてて聖堂に駆け付けた。」

それを聞いてヨハンは納得した。

あのタイミングでエルフリードが聖堂に現れたことに少し違和感があったのだ。


一方レイアはエルフリードの言葉を聞き、自分の胸元を見た。

「あっ。」

胸にかかった指輪とロザリオが真っ黒に変色していた。

レイアを襲ったアルベルトの魔力の一部を指輪とロザリオが引き受けてくれたのだろう。


「エルとクララが守ってくれたのね。」

レイアの顔に笑顔が浮かんだ。

「ノアもだよ。死にかけていた君を救ってくれた。」

エルフリードはそう言ってノアに視線を向けた。


レイアもノアの方に顔を向けた。

「ノアもありがとう。」

礼を言いながら、レイアもノアの目の変化に気が付き驚きの表情を浮かべた。

それを見てノアは肩をすくめた。


「アルベルトから離れた魔力が全て僕のところに来たんですよ。今は僕が破壊の悪魔です。」

自嘲気味にそう言ったノアをレイアはそっと抱きしめた。

「良かった。ノアが生きていて・・・」


姉の言葉にノアが目を見開いた。

「姉さま。僕が怖くないのですか?今の僕は・・・」


僕は、もう人間じゃない。


そう続けようとしたノアの言葉をレイアが遮った。

「怖いわけないじゃない。あなたは私の弟だもの。」

「姉さま・・・」


泣きそうな顔になったのアにレイアは優しく声をかけた。

「人間が魔力を吸収して魔の者に変化出来るのなら、逆の方法もあるかもしれないでしょう?これから一緒にさがしましょう。」


アルベルトの居城は今やノアのものだ。

あの城の書庫ならば、もしかしてその方法が見つかるかもしれない。


「そうですね・・・」

前向きなレイアにノアは泣き笑いで答えたのだった。


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