第67話 姐と若姐
「ユキさん」
「どうしたの?深刻な顔して。私に料理を教えてください!私は今まで料理ってしたことなくって。それなのに、こんな大人数のために美味しい料理を作らなきゃならない立場になったわけで…」
ああ、大志が襲名したから?
「茜ちゃんは『若姐』のままだよ。私が『姐』だからねぇ。大志が『組長』になって、大雄さんが『会長』だけど、私らは変わらないよ?」
「肩書はともかくとして、料理が本当にできなくて…。だから、教えてください‼」
この子は素直で可愛いねぇ。大志が惚れるのもわかるなぁ。
「いいよ?とりあえず。朝食の準備を一緒にしたり、一緒にすることから始めようか?」
「はい!」
大志…いや大海に聞いた方がいいかな?
「大海!茜ちゃんて料理はどの程度できるんだい?」
「うーん、私が知ってる限りだと、卵を割れば必ず殻が入るし、塩と砂糖をよく間違えるよ。それがどうかしたの?」
「いや、茜ちゃんに料理を教えてほしいって言われたんだけど、実力がどの程度なのかなぁって聞いてみたの。大海なら、学生時代に一緒に家庭科とかで料理したかなぁ?って」
「うん、『危ないから、新橋さんは包丁持っちゃだめよ』って先生に言われてたよ」
困った……。蘭さんにも聞こうか?
「蘭さん、茜ちゃんの料理の腕前ってどんな感じなの?家(屋敷の新橋家空間)で料理作ったりしないの?」
「…ユキさん。茜は…料理が下手なのよ!新鮮な卵のハズなのに目玉焼きを作ったら卵黄が割れるのよ?何かに呪われてるんじゃないかしら?お菓子作りなら…、とか思ったけど計量が微妙に多かったり少なかったりしたみたいで、うまくできたためしがないのよ。龍二さんもこれだけは悩んでるのよ!」
私も悩みたい。どうしよう、軽く返事できるレベルじゃない?大志の方が料理上手いんじゃ…。
とか悩んでるうちに茜ちゃんからビックニュース!
「すいません。料理習うのは先延ばしになっちゃう。あの…妊娠したみたいで……」
大志が朔斗君と張り合った感じかな?
「性別わかってる…のは蘭さんだけかぁ。楽しみにしておこう!」
「っていうことがあったの!私は「え?そこから?」ってパニックだったんだから!でも茜ちゃんも妊娠かぁ。孫が増えて楽しくなるね!」
「あいつら、『自分たちは若いです!』みたいにしやがって俺だってアラカンだがまだまだ現役なんだからな!」
あのー、私はアラフィフなんですけど?
その晩はマジで妊娠するかと思った。大輝だって20近く年の差がある弟妹は嫌でしょう?大志と大海にいたっては30近くの年の差…。
大雄さんは意外と子供っぽく張り合ったりするから、やめてよ~。




