第55話 罠にかかった犯人
本当に帽子かぶればなんてことなかったと思うのよ。
「大輝、いたいた。若い衆に該当するやつ。今はごく普通に他の奴らと談笑してる」
「うーん、なんとか該当者だけを呼び出したりできないかなぁ?『四代目が話がある』とかダメかなぁ?『三代目』よりも『四代目』の方がなんか怖さが減少しない?」
「確かに、『三代目がお呼びだ』って言われるのと、『四代目がお呼びだ』って言われるのは違うなぁ。『三代目』の方がなんか怖い。俺、なんか悪い事したかな?って思ってしまう」
「それはさぁ、三代目が朔斗さんの義理の父親でもあるからじゃないの?」
「それもあると思うけど、やっぱり威厳が違うよ」
大志はより一層の努力が必要らしい。……努力で威厳ってつくものなのかな?
『四代目が呼んでいる』と言って該当する組員を呼び出した。
呼び出された場にいたのは、大雄さん・私・若頭・若頭代理・大輝・大志の5人。
「呼び出された理由はこのメンツ見てわかるか?」
大雄さん、怖がらせちゃダメよ~。
「全くわからないんですけど、なんですか?そうそうたる顔ぶれで?」
「仕方がない。これを見ろ!」
「は~い」
大輝も緊張感ないなぁ。
監視カメラの映像を見せた。
「これって…もしかして姐さんのご両親ですか?」
「そう。何者かに殺害されたのよ?ポイントはココ。犯人は金髪なのよね~。痩せ型、身長は175cmくらいかしら?」
「そのくらいの情報で犯人扱いされちゃ困りますよ、姐さん!ゴマ粒くらいは姐さんのご両親にも忠誠心あったんですから!」
ゴマ粒……。全くないとは言えないって言いたかったんだろうけど、例えがひどいなぁ。
「まさか、俺が金髪だから犯人扱いですか?酷いっす!」
「お前はいつこの組に入った?」
「3年くらい前ですけど?何か?」
「そのくらい前にちょうど赤川が一度死んでるんだよなぁ。しぶとく生き返ったけど」
「それと俺との関係がわかりません!」
「俺はお前が赤川弟が送り込んだスパイだと思っている」
「話が飛躍し過ぎじゃないですか?」
「さっきの映像だけど、ただの金髪じゃあない。この生え際の根元を見ろ!生えて来てるんだよ、黒い地毛が。まさに今のお前みたいにな。組員で該当するのはお前だけなんだと川野が調べ上げた」
「ふーん、『川野』ってのはただのボンクラじゃなかったのか。ああそうだよ。俺が姐さんのご両親を殺害した」
「随分あっさりと自供したな。因みにこの会話も録音してある」
「他にもいるのか?内部に赤川弟サイドの人間」
「お得意の自白剤を使えばいいだろ?」
「それもそうだな」
「明日を待ってたらお前が遺体になってるかもしれないから、今自白剤を打とう。新橋、頼む」
新橋は蘭さんに事情を話し、この男に自白剤を打ってもらった。




