第44話 胸
20年以上前というと大志と大海を妊娠する前かな?そう思うと、なんだかドキドキ。もうお互いアラフィフなんだけどなぁ。
「それはそうと、大輝のあのけしからん胸はなんだ?」
「あれは天然だから、どうしようもないのよ。本人だって嫌がってるのよ。下着だって大きい方が値段が高いし」
「そうなのか?地味な嫌がらせだな。男は爆乳好きが多いのに、下着は金かかるのか…」
「洋服だってあの胸に合わないから着れないって嘆かれたことあるわ。『サラシ巻く~』とか言われた時は形が崩れるからやめなさい。って止めた」
「大変なんだな」
「きっと肩だって無駄に凝ってるんでしょうね」
私の胸を見ながら肩と比較するのはやめてよ!私が不憫でしょ!
「おかしいな。俺がお前の胸、可愛がってるのにな」
大雄さんは私の胸を触りながら言う。
「それが全部大輝の胸に行ったんじゃないの?」
「そうかもな」
納得されたー‼地味にショック!
数日後、初の大輝のPC指導。
「今日から私も指導されるわ。よろしくね、朔斗君!」
「はい、姐さん!」
「えーっと、母さんが主に使うのってエクセルよね?」
「そうねぇ、今まではね。でも、大輝みたいな情報収集能力が欲しいのよ~」
「そんなの一朝一夕でできるわけないでしょ?」
「だから、指導されようとしてるんじゃん。すこしは大雄さんの役に立つように」
「えーと、大雄さんと言うのは?」
「「三代目!」」
「朔斗さんはこないだの続き。結構筋がいいのよ?きっと兄さんの役に立つよ」
『朔斗さん』と呼んでいるのか、大雄さんに報告しよう。
朔斗君は大輝にPCを教えてもらってる時に大輝の胸を見ていない。PCの画面にくぎ付け。本気で情報収集能力を上げようとしているのがわかる。
大輝も胸目当て以外で異性が自分の近くにいるのが嬉しいんじゃないかな?それも自分に教えを乞うって。自分が必要とされてる~って実感していいよね。
朔斗君は次期若頭の仕事で先に席を外した。
「ねぇ、大輝?大輝ってもしかして、朔斗君のこと好きだったりする?」
「え?なんで?朔斗さんって私より8才近く年上だよ?兄さんの右腕になる人だもん」
「それで?」
「それで?って。年齢離れてるし」
「母さんと父さんだって6才差だし。私が18の時、大雄さんが24だもん。兄さんの右腕?別に関係ないよ~。大輝だって大海の右腕になる予定でしょ?」
「そうだけどさぁ。私がガキだからその間にできてる彼女さんに嫉妬したり」
「わかる~。こないだ、私と出会う前の大雄さんがキャバクラに通っていたことが発覚したんだけど、それは仕方ないのよね。出会ってないんだもの。出会ったんだから、ツバつけときなさいよ!」
こんな風に大輝を煽ったのを大雄さんに知られたら怒られるなぁ。
「次回は母さん腹痛(仮病)で指導休むから、その時にでも何とかしなさい!」
「母さん、ここ監視カメラ付いてるから無理よ~‼」
「そうそう、煽り方としてはね。そのけしからん胸を利用しなさい!大輝はコンプレックスに思ってるかもしれないけど、それは武器よ!躓いたふりとか、教えるフリして胸を押し当てるとかするのよ!できるでしょ?あ、盗聴器はついてないんでしょうね?」




