第35話 No1.とコミュニケーション
「ねぇ、君本当にこの店のNo1.なのか?男慣れしてない感じするけど?」
「ふぅ、初心い女の方が男は好きだと思ったんだけどなぁ」
「そんな男ばっかり相手にしてきたのかい?俺はそんなじゃないぜ?」
大海はベルを鳴らした。
「この店で一番高い酒をくれよ。いい女にはいい酒だよな?」
「あんたわかってるね」
「大海、あんた女を口説くんじゃないわよ?…才能はあるわね」
「こちらこの店で一番の酒になります」
「この程度の酒しかないのかい?もっといい酒を隠し持っているんじゃないのかい?上質な女には上質な酒と思っていたんだが、興ざめだな…」
大海が立ち上がると、
「おっ…お待ちくださいっ!只今お持ちします酒でご満足いただけると思います」
「なんだよ、隠し持っていたのか?趣味が悪いな。あんたも思うだろ?」
「私に見合う酒だもの。やっぱこの店のNo1.の酒じゃなきゃねー」
「大海、調子に乗って酔いつぶれるなよ」
大海は持ってきた酒を飲み干した。
「もう、こんな時間かよ。しけてんなー。俺はこれでも会社経営してんだよね。真面目に出社しなきゃなんねーから。せっかく出会ったアンタともこれで……」
「やだよ、折角だもの。お持ち帰りしておくれ」
「大海。よくやった!さあ、店を出てタクシー拾ったら俺が指示するラブホに来い!」
「そうだな。せっかくだ。アンタいや、ヒコ。お持ち帰りできるのか?ヒコはNo1.なんだろ?」
「なんとかしてみるさ」
「お持ち帰りが難しいらしい。何故だ?」
「RRカンパニーが社員寮って理由と同じだろう」
「お待たせ。それじゃあ行きましょ。私がいつも使ってるラブホでいいかしら?」
「違う方が雰囲気で燃え上がるってもんだろう?違うところにしようぜ?」
「お前…何でそんなこと知ってるんだよ!俺の大海が……」
「三代目、落ち着いてください」
大海が話し合いで計画していたラブホにやって来た。
「なんかたっだいま~」
大海がのん気な声でそう言った。
「大海~、よく無事で!」
大雄さんが感激している。
連れてきたNo1.のホステスさんは混乱している。
「えーっと赤川組傘下のあの風俗店から証拠が欲しかったので、アナタをちょっと検査しま~す」
「血液検査するわ。腕を出して。大人しくしてね。暴れたりしたら針がどこに刺さるかわからないわよ?」
スゴイコワイ。
「じゃーん。女性でしたー!」
大海はサラシを取った。並みの大きさの胸が現れた。
「え?女性だったの?スゴイ男前だったのに」
「褒めてくれてありがとー。でも女性だよ」
「白虎組の三代目だ。本名は秘匿か?血液検査した先生が自白剤持ってるからいつでも自白してもらえる。まあ、今は問題ないか」
「俺が白虎組の四代目で大海の双子の片割れ。男性の既婚者だ」
「男装した大海さんの方が男前…」
それは言わないお約束……。




