第34話 作戦実行
大海は高い酒が飲めると意気揚々と言ったけど、大丈夫か心配。
男装が終了した大海はその店のトップを連れてても遜色がないほどの男前になっていた。
「なんで双子なのに、大志は今の俺みたいな感じじゃないんだ?」
男言葉も板についてて完璧です。見た感じ、どっかのホストクラブのNo1。
白虎組の車で送迎するわけにいかないので、最寄りの駅まで車で送ってそこからは流しのタクシーで行ってもらうことにした。
タクシー代の領収書までもらっているところがセコイ。
大海のジャケットの内側にはマイクが仕込まれている。そして、耳についているピアスに見えるものからは骨伝導で大海にのみ音が聞こえるようになっている。こちらからの指示。そして、大海からの返事など出来るようにした。大雄さんが過保護です。
大海は慣れたように店に入って行く。
「この店のNo1.の子と飲みたいなぁ」
と慣れた手つきで金を渡す
「ダンナ。うちの店のNo1.はこんなに安くないんですぜ?」
「そうだと思ったよ?だって、装飾品とかいいもん使ってるもんな」
「ダンナ。なかなかお目が高いようで…」
大海は受付に札束をドーンと置いた。
「少なかったか?」
「いえいえ、驚いてしまっただけですぜ。ご案内します。ダンナくらい男前でしたらうちのNo1.も喜ぶ事でしょう」
「そうかぁ?嬉しいことを言ってくれるじゃあないかぁ」
そう言いながら大海は受付の男に金を握らせる。
「大海。金をばらまき過ぎじゃないのか?」
「お持ち帰りしやすくしてるんだよ」
大海なりに考えての行動らしい。
「へぇ、No1.は個室ってわけ?」
「やはり、二人きりでお楽しみいただきたいのででは失礼いたします」
「あっさりNo1.のところなんだけど?本物のNo1.だと思う?」
「それは会ったらわかるだろう」
「風俗店、通い慣れてないんだけど…」
大海は女性だものそうでしょうね。大雄さんも無茶言うわねー。
「お待たせしました。No1.のヒコです」
おいおい、なんか震えてるよ?No1.て嘘だろう?
「父さん、この子嘘っぽい。なんか震えてる。薬の中毒反応か?その辺は俺にもわかりかねるけど、見たところNo1.じゃないなぁ。どうする?」
「話してみてどんな感じかこっちにも聞こえるから。慣れたホステスはやたらと男の内股触ってくるぞ!」
「大雄さん!風俗店通いしてたんですか!」
「若気の至りだ」
「でも出会った時すでに24才だったじゃないですか!若気って何才ですか?」
「16~18くらいの時か?」
「……」
大海はそんな痴話げんかを聞きながら、自称No1.ホステスの子と話をしていた。
「何でそんなに離れて座ってるの?こっちに来なよ?」
「はい、お隣を失礼します」
「こいつは……とんだ自称No1.だな。今日が初めて店に出るって感じだ。それをNo1.と偽るとはなかなか食わせ物だなあの受付。金だけ受け取りやがって」
「ホステスをしなきゃならないって境遇もなんだか可哀そうね」




