第14話 カップル×2
はぁ、俺が父親かぁ。年齢的にそんな年齢だけど。
「新橋!お前に子供はいるか?」
「子供どころか嫁さんもいないですよ?この職業でなかなか嫁さんに来てくれる人はいないですよ」
この部屋(CEO執務室)は完全防音なので、二人だったらこんな会話も可能。
「妊娠してる奥さんの子供の性別って知っておくべきなんだろうか?それとも、楽しみはとっておくほうがいいのか?悩みどころだよな」
「性別がわからない場合、買っておく服が黄色ばかりになってしまうという話です。実際どうなんでしょうね?ああ、社内で聞いてみますよ。そこらへん」
「お前はできた秘書だなぁ」
「しみじみと褒めてもらったところ申し訳ございませんが書類の決裁が遅れていますよ?早く処理して下さいね?」
悪魔のように微笑んで新橋は去って行った。
新橋もかなり秘書としてのスキルがあがったよなぁ。デキル男となった。そんななのに嫁さんいないのか……。そうだよな。よく考えれば、あの家でみんなと生活してる時点で独り者だよな……。
数時間俺は書類を決裁しながら、机の上のユキの写真(隠し撮り)を見つつ、過ごしていたが、新橋は社内での聞き取りを色々と教えてくれた。
「どうぞ、決済を続けて私の話は私の独り言として捉えて下さい。多くが産後の準備のために性別を聞いていますね。しかしながら、こんな事例が。ずっと女の子だと聞いていたらしいです。エコー写真でも男のシンボルは全く写らず、医師も夫人もその家族もみんな女の子だと信じていたらしいです。しかし、産まれたのは男の子。巧妙に隠していたんでしょうね。エコー写真ではわからないように。そうすると、女の子だと思って用意していた服やなんかをその男の子が着ることになるのか、新しいものを買うのかという選択になります。確実に買い換えなきゃいけなくなったのは紙おむつです。こればっかりはどうにもならないのです。無情ですよね」
俺は新橋の話を総合し、性別を予め聞いておいた方がよいのでは?と思った。
「うふふ、あの白虎組の組長にも可愛い所があるのね。まさか子供の性別を知るべきかどうかを本気で悩んだ挙句に会社で部下に聞き取りまくるなんて…」
そんな大雄さんを考え、一人ちょっと嬉しくなった。なんだか本気で子供の事考えてくれてるんだなぁと思うと……。
「あらあら、こちらも!赤面しちゃってなんだか初々しくって可愛らしいカップルよねぇ。とても5年の付き合いがあるとは思えない。もうっ、ラブラブカップル!」
「ところで、蘭さん!私も聞いた(耳にした)わよ?なんか大雄さんの秘書をしてる新橋と付き合ってるとか?まあねえ、この職業だと出会いがないし、カタギのお嬢さんはわざわざ極道の世界に入ろうと思わないでしょう?私は嬉しいのよ。貴女みたいな人がいてくれて。私とは友人としてお付き合いしてくれるでしょう?私が組員たちの前で『姐』の猫被ってるの知ってるし。このことは大雄さんは知ってるのかなぁ?」
「嘘っ!絶対に新橋さんとのことは、バレない自信があったのに~‼」




