第15話 初々しい二人
「蘭さんももちろん若いけど、新橋も若いじゃない?若い二人が……。大雄さんに言って、二人をちょっと広めの同じ部屋にしてもらおうか?」
「キャー!まだそんな関係じゃないのよ‼」
「何よ、私と大雄さんよりもよっぽど初々しいじゃない!新橋は若いのに仕事ができる男だしねぇ。ここの屈強な男たちの中ではちょっと異質よね。強いけど、頭も切れるのよね」
「そうなのよ!龍二さんはそんな人で最初は近づき難かったんだけど、三代目とユキさんの話を共有したりしてるうちに自然と惹かれ合ったというか……」
蘭さんだって赤面してるじゃんか。
「だから、まだプラトニックな関係でスマホの連絡先すら知らないのよー!」
と、蘭さんが絶叫をしたところに、タイミングよく(?)大雄さんがお帰りになった。
「いや、帰って来たわけじゃなくてユキの様子を見に診察室の方に来たんだけど、思わぬ絶叫を耳にすることとなった。なんだ?先生は新橋の事が好きなのか?新橋なら今は彼女もいないし、喜んで差し出すけど?」
いや、供物みたいに言わないであげて。
「ちょうど最近、子供も嫁さんもいないって俺の執務室であいつが愚痴ってたところだし、先生ならお似合いだ」
ますます蘭さんが赤面してしまう。
「なんなら今日からでも同じ部屋で暮らすか?広い間取りの部屋が一つ空いてるんだよな。っといけねぇ。ユキの無事も確認したし、会社に戻らねーと、それこそ新橋に怒られるんだよな。まぁ、考えといてよ。ヤクザもんは出会いが少ないもんでなぁ」
そう言って、大雄さんは会社に戻っていった。
「ね?ね?本当に極道って出会いがないのよ。考えておいてね!」
「そ、そんなことよりも!ユキさんは元気な子供を産むことに集中してください!」
「は~い」
担当のお医者さんに怒られちゃったので、これ以上ツッコムのはやめておいた。
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「新橋ー。お前、竹内先生と付き合ってるのか?」
新橋には珍しく動揺して持っていた資料をバサバサと落とした。
「CEO、それ、どこ情報ですか?」
「さっきユキの様子を見に行った時に竹内先生と恋バナをしてた。登場人物がお前だったんだよなぁ」
俺は久し振りに新橋からマウントを取ったようで気分がいい。普段はいつも新橋の方が弁がたつから。
「はいそうですよ。俺は竹内先生のことが好きですよ!」
「屋敷でさぁ。一部屋間取りが広い部屋が余ってるんだけど、使うか?」
「あの……俺と竹内先生はまだまだプラトニックな関係なんで。スマホの連絡先すら知らないんですよ?」
俺はどうしたもんかと頭を抱えてしまった。
新橋が奥手なんだろうか、俺の手が早いんだろうか?




