第104話 外伝⑳ 四代目からの難題?
大和と茜ちゃんが難しい顔をして帳簿を見ている。
「まさか三十路になってこんなに数字の羅列を見ることになると思わなかった。茜は何かわかるか?俺にはまさに数字の羅列にしか見えない」
「私も算数とか苦手分野なので」
「おいおい、医学部って理系だろ?」
「それとこれとは違うんですよ。帳簿を読むのはやっぱり姐さんが得意なんじゃ…」
「親父…じゃない三代目が母さ…姐さん貸してくれるかな?」
「三代目、怪しげな帳簿を見つけました。しかし、なにぶん帳簿を読むという技術が…姐さんの力をお借りしたい!…です」
「楽隠居中なのになぁ。ユキ~!なんか大志が力を貸してほしいんだと」
「四代目になって何を甘っちょろいことを言ってるの?あんたの若頭は誰?」
「川野朔斗です」
「で、その嫁は?」
「川野大輝です」
「大輝にぱぱーっとPCで読み込んでもらいなさいよ。私が読むよりも正確に、グラフもつけてくれるわよ?」
厳しいのは三代目よりも姐さんの方だった。俺のヨミが甘かった。
五代目になる予定の大和は若頭の大斗がPC出来ると思うけど、遊佐ちゃんに簿記の勉強をした方がいいかもって伝えておこう。遊佐ちゃんより大和が結婚した香ちゃんの方がいいかな?それにしても二人ともまだ若い!勉強できて、尚且つ帳簿が読めれば百人力だ!
大輝がぱぱーっとPCで解析した。
「名前の通り腹黒いね。この黒田って人。なんでここから上納金が増えてるの?その後もコンスタントだけど?」
グラフはわかりやすいなぁ。数字の羅列はちょっと勘弁してほしい。
「多分、俺が四代目を継ぐだろうって噂になったあたりからか?やり方が昔の赤川と同じだな。いろいろ聞いてるから」
赤川の最期とか、赤川弟の趣味とか?大輝が潜入捜査。懐かしい感じするけど、そうじゃなくて、この『黒田』って男は赤川の残党か?
「コトが大きくなったな。三代目に報告だ」
「三代目。PCで解析した結果、昔の赤川みたいな上納金の変化をする男が現れました」
「そいつの居所とかマークしておくように」
三代目の目つきがコワイ。姐さんの胸触ってるけど。
黒田の居所はあっさりとわかった。本人もアッサリと捕獲。
蘭さん特製の自白剤で自白させた結果、黒田は赤川に憧れていたらしい。黒田以外にも赤川に憧れていた人物はいるそう。
あんなオッサンのどこがいいんだ?
赤川弟にも憧れているらしくて、この後は色々なキャバクラに通うつもりだったらしい。
三代目は報告を聞いて頭を抱えてしまった。
「あんな容姿も性格も悪い男に憧れるという心理がよくわからない。この後はキャバクラ通い予定?赤川弟の性癖まで真似する予定だったのか?Mっ気のあるロリコンだよな……」
「大輝がまた潜入捜査しなきゃいけないのかと思ったよ。とんだ茶番で済んで良かったというのか?」
「PCってすごいね。私は必要ないかな?」
「ユキは俺には必需品」
「もうっ、油断してたらまた妊娠したりして~」
二人で笑い合った夜でした。




