インヘリタンス

脅威の塊、再び

そしてジヲマは見つけた。以前に出会った、あの、脅威の塊を。

今も平然とダンゴムシのように歩みを続けていた。以前と同じくブルルルと音を立てながら、天を覆うように、どす黒い雲を広げながら昇り続けていた。

目と思われる三つの穴は、それぞれにジヲマを認めたはずだが、脅威の塊は動きを止めるでもなく、ジヲマを攻撃してくる様子もなかった。

ジヲマは見惚れていた。その大きくなりながら上へ昇り続ける、入道雲のような大きな塊の圧倒的なさまを。