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23話

大変遅くなって申し訳ありませんでした。

早絵視点での最終話です。

プロポーズにイエスの返事をした瞬間、ダニエルに抱えられ、その場でくるくると馬鹿みたいに振り回された。

実際に馬鹿と言った気がする。

一頻り興奮が収まると、指輪を買いに行こうと宣った。



「順番が逆になったが、婚約指輪を選びに行こう!」

「…え」

「今後、サエがつけるものだから、君が一番気に入ったものにしよう。ああ、ダイヤモンドでもサファイアでもルビーでもエメラルドでも。真珠もいいな、サエの肌によく映える」

「…え」

「結婚指輪は重ねてつけれるデザインを選ぼうか」


盛り上がっていらっしゃる盛り上がっていらっしゃる。

こっちはついうっかり口からこぼれてしまった失言をどう撤回しようか必死で頭を働かせているというに。



「あ、や、ちょっと」

「ああ、すまない、実際に見た方がいいな。直ぐに出掛けよう。夕食はそのまま外で摂ろうか」



浮かれていらっしゃる浮かれていらっしゃる。

何となく目の焦点が合ってない。怖い怖い怖い。

いや、でも流されたとはいえ、イエスと言ってしまったしな…。



「両方の家族にも挨拶しなきゃいけないな。サエのご両親は日本だから、とりあえず電話での報告になってしまうだろうが」

「挨拶」

「俺の方も近いとは言えないが、この休暇中に一度一緒にきてくれるか?」



それは質問の形をとっているが、ただの確認である。いや、結婚となると双方の親にも挨拶し、紹介しないといけないから間違ってはいないけども。

あたしが言いたいのはそういうことではなく。



「心配しないでくれ。君のことは優秀な秘書として認識されているよ」

「や、勿論私の方もですけど、突然外人と結婚しますって反対されますよ…」

「例えそうなっても、サエ以外の女性と人生を歩むつもりはない」



*****



案の定、反対された。

当然といえば当然である。いきなり職場の部下、しかも向こうからみれば黄色人種のちんちくりんと結婚すると可愛い息子が言い出したのだから。

それに便乗して一緒に結婚反対をしてたら、なんでかそれが大和撫子の奥ゆかしさに勘違いされ、伯父さんご夫婦とダンのお母様に力強く後押しされた。

いやいやいや、反対してくださいよ。

結局一番反対していたお父様も折れた。いやいやいや、頑張ってくださいよ。結婚決意しただけ御の字になんないで下さいよ。


うちの両親?

外人の婿ができるのねーって言われただけだよ。

去年兄貴が可愛い嫁さんとでき婚して初孫産まれてからは娘の地位がどんどん下がっていってるよ。

甥っ子は素直に可愛いけど、もうちょい娘に愛情与えても罰は当たらないと思いますけど。

日本の友人は皆薄情なのかなんなのか、アメリカで式するなら費用や休暇の関係で出席できるか解らないと言われました。

こっちでてきた友達には爆笑されるしさぁ。


ダニエルはアメリカと日本で式を挙げようなどとほざいてるし。

結婚、というかウェディングドレスや白無垢に人並みに夢は持ってるけど、そんな面倒なことやりたくないといえば喧嘩になったし。

そのドレスやらベール何やらをフルオーダーで仕立てるってなったからまた面倒くさい。レンタルでいいといったら、そもそもアメリカはウェディングドレスをレンタルするという発想があんまりないらしい。何それ初耳。


仕事は結局退職することになった。

これに関しては最後まで話し合ったが、薄々気付いてはいたが若干でなく独占欲も束縛心も激しいダンに押しきられる形で退職することと相成った。

引き継ぎの際に中々女性社員から嫌味の総攻撃を受けて精神的にだいぶ参った。

いや、でも確かに秘書がボスをたぶらかした様な構図になっちゃったから仕方ないけど。

自分で思っているよりへこんでたのか、事実を知ったボスの怒りは凄まじかった。あの時のダンは思い出すだけで恐ろしい。

仲が良い方々からは労いと激励を頂きましたけども。



*****



モルディブのハネムーンから帰ってきて一通りイベントが終わり、ちょっと落ち着いたかな、という今日この頃。

はたと気付いた。生理が遅れていることに。

その知らせを聞いたダンはまたしてもあたしを抱えあげ、くるくると馬鹿みたいに振り回した後で妊婦にそんな事をして良かったのかと青くなった。

愛妻家と名高いダニエル・カーターに子煩悩が追加される日は近い。



一応これで終わりの予定ですが、説明的過ぎたのでダニエル視点を書いた方が解りやすいでしょうかね。

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