3spoonfuls
魔法と発明が存在する世界の、
小さな田舎町にある喫茶店を舞台にした、
ほのぼのしてたい異世界転生ファンタジーです。
楽しんでいただけたら嬉しいです!
至らぬ点や不行き届きも多々あるかと存じますが、
何卒ご寛容のほどお願い申し上げます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
少し時間はさかのぼり、
あの爆発音が響く、ほんの少し前。
ウィィィィィン・・・。
厨房の隣にある倉庫から、
奇妙な音が聞こえていた。
ガタガタ・・・ギギギ・・・。
初めは小さかったその音が、
次第に大きくなっていく。
「・・・何の音、だよぅ?」
厨房でスコーンの準備をしていたカルシティルは、
思わず手を止めた。
背筋に冷たいものが走る。
普段は静かな倉庫から、
何か重たいものが動くような音が聞こえてくる。
しかも、時折、金属を無理やりこすり合わせたような、
耳障りな音まで混じっていた。
「・・・だ、誰かいるの、だよぅ?」
カルシティルは少し身を縮めながら、
恐る恐る倉庫の扉へと近づいた。
そこには、見覚えのある少女がいた。
「・・・ネオン?」
淡いミントグリーンの髪は膝まで届くほど長く、
襟足のあたりで二つに結ばれている。
エメラルドのように輝く大きな瞳に、
頭から伸びる長く真っ白なウサギ耳。
その耳はぴんと立ち上がり、
時折ぴくぴくと動いていた。
頭には発明作業で使うゴーグルを乗せている。
彼女の名は、ネオン。
カフェ・ポルミの自称・天才発明家。
思いついたことはすぐに試したくなる、
好奇心旺盛な少女だった。
その自信は底なしで、成功を疑わない。
そんなネオンは今、
大きな銀色の機械の前に立ち、
満足そうに腕を組んでいた。
「おお、カルシティル! ちょうどいいところに来たのだ!」
「ネオン、何してるの、だよぅ?」
カルシティルは、少しだけ頬を膨らませた。
ついさっきまで、倉庫から聞こえる不気味な音に、
あんなに怖い思いをしていたのだ。
・・・なんだか、ちょっと腹が立ってきた。
「ふっふっふ・・・!
ボクの天才的頭脳が生み出した、
世紀の大発明! その名も――」
ネオンは勢いよく機械を指さした。
「スイーツ・マスターDXなのだ!」
ドドーーーン!!
・・・どこからともなく、
そんな効果音が聞こえてきそうなほど、
ネオンは得意満面だった。
「すいーつ・・・ますたー?」
カルシティルは首をかしげた。
目の前にあるのは、
大きな銀色の箱型の機械だった。
正面には透明なガラス窓があり、
その奥には何やら広い空間が見える。
側面にも扉がついており、
そこから何本もの配管が伸びていた。
上部には色とりどりのランプが並び、
正面には大小さまざまなボタンが取り付けられている。
一体どんな仕組みになっているのか、
カルシティルには見当もつかなかった。
「ずいぶん大きな機械、だよぅ・・・。
これ、何をするものなの、だよぅ?」
「よくぞ聞いてくれたのだ!」
ネオンのウサギ耳が、ぴんと立った。
「材料を入れてボタンを押すだけで、
お菓子を自動で作ってくれる、
夢の高性能魔導機械なのだ!
しかも、食器洗いまでできるのだ!」
「ほわぁ〜! お菓子作りもお片づけもできるなんて、
すごい、だよぅ!」
カルシティルは感心したように目を輝かせた。
「ふっふっふ! 当然なのだ! 何しろボクは天才――」
ドッゴォォォォンッ!!
「きゃあああああああっ!?」
カルシティルが叫ぶ!!
突然、機械の内部から凄まじい爆発音が響き渡った。
次の瞬間。
ブシュウウウウウウウッ!!
機械の上部や側面から、
大量の白い泡が勢いよく噴き出した。
「な、ななな、何??だよぅぅぅぅっ!?」
カルシティルは思わず両手で頭を覆った。
泡は天井近くまで吹き上がり、
棚や床を次々と白く染めていく。
「な、な、何が起きたのだぁぁぁっ!?」
ネオンの長いウサギ耳が、驚きでぴんと立ち上がった。
「ネオン! これ、どうなってるの、だよぅ!?」
「ボ、ボクにも分からないのだ!
設計図では完璧だったはずなのだぁぁっ!」
ネオンは目を大きく見開き、
あたふたと両手を振り回した。
「泡だらけ、だよぅーっ!」
カルシティルは大混乱だ。
泡は倉庫の扉からあふれ出し、
隣の厨房にまで押し寄せていった。
焼き上がったばかりのスコーンが置かれた作業台にも、
白い泡が迫る。
「わあああっ! スコーンがぁぁっ! だよぅーっ!」
カルシティルは慌ててスコーンの載ったトレーを抱え、
泡の届かない高い棚へ避難させた。
その間にも、泡はもこもこと増え続ける。
「むむむ・・・! これは想定外なのだ!」
分析している風を装うネオン。
「天才なら想定しておいてほしかった、だよぅーっ!」
カルシティルは頬をぷくっと膨らませ、涙目でネオンをにらんだ。
そのとき。
「・・・ネオン?」
倉庫の入り口から、落ち着いた声が聞こえた。
このたびは、数ある作品の中から本作をお選びいただき、
お読みくださり、誠にありがとうございます。
何分にも執筆を始めたばかりの未熟者でございますゆえ、
誤字脱字や拙い表現、読みづらい箇所など、
至らぬ点も多々あるかと存じます。
お見苦しい点もあるかと存じますが、
何卒ご寛容のほどお願い申し上げます。
まだまだ勉強不足ではございますが、
一つひとつ学びながら、精進してまいる所存でございます。
今後とも温かくお見守りいただけましたら、
幸いに存じます。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。




