1spoonful
魔法と発明が存在する世界の、
小さな田舎町にある喫茶店を舞台にした、
ほのぼのしてたい異世界転生ファンタジーです。
楽しんでいただけたら嬉しいです!
至らぬ点や不行き届きも多々あるかと存じますが、
何卒ご寛容のほどお願い申し上げます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
カルシティルは、何もすくっていないはずのスプーンを、生地の上でそっと傾けた。
すると――。
さらさら、きらきら。
空っぽだったスプーンの先から、淡い金色や銀色に輝く小さな光の粒が、ぽろぽろ……ぽろぽろ……とこぼれ落ちてきた。
まるで、澄みきった夜空から星屑をひとつまみすくい取り、そのまま生地の上に振りかけているかのようだった。
光の粒は生地に触れると、雪が溶けるようにすうっと消えていく。
そのたびに、ふんわりと優しい甘い香りが立ちのぼり、厨房の空気まで少し温かくなったように感じられた。
「ふふっ♪ 今日もおいしくなあれ、だよぅ!」
カルシティルは満足そうに微笑むと、星屑の溶け込んだ生地を、最後にもう一度だけ優しくこねた。
一方、ひと足先に仕込んでおいたスコーンは、オーブンの中で黄金色に焼き上がりつつあった。
ふっくらと膨らんだスコーンの表面には、さっくりとした細かな割れ目ができている。
焼けたバターの芳醇な香りと、こんがり焼けた小麦の香ばしさが、温かな空気に乗ってふわりと漂ってきた。
そこに、ほんのり甘い砂糖の香りが重なり、厨房いっぱいに広がっていく。
やがて、焼き上がりを知らせる小さなベルが、
チリン、と軽やかに鳴った。
幸せの音だ。
「ほわぁ〜、いい香り! 焼き加減もばっちり、だよぅ」
オーブンの扉を開けた瞬間、甘く香ばしい熱気がふわっと立ちのぼった。
その香りはカウンターを越え、まだ誰もいない客席にまで漂っていく。
甘い香りに包まれていると、まだ始まったばかりの今日が、なんだか特別なものに思えてくるのだった。
カルシティルは満足そうに目を細め、スコーンを頬張る誰かの姿を想像して、にこりと笑った。
そして、次の仕込みに取りかかる。
このカフェ・ポルミは、町の人々や旅人が訪れる、小さな憩いの場所だった。
しかし――。
カフェ・ポルミには、普通のカフェとは少し違う秘密がある。
――ガタガタ、ガタガタ。
突然、開店前の厨房に大きな金属音が響いた。
「ひゃっ!?」
カルシティルは思わず肩を跳ねさせた。
この時間、厨房には自分しかいないはずなのに。
「な、ななな、何の音……だよぅ!?」
カルシティルはおそるおそる音のする方へ目を向けた。
そこにあったのは、厨房に隣接する倉庫の扉。
どうやら、音はその向こうから聞こえてくるようだった。
このたびは、お読みくださり誠にありがとうございます。
何分にも執筆を始めたばかりの未熟者でございますゆえ、
誤字脱字や拙い表現、読みづらい箇所など、
至らぬ点も多々あるかと存じます。
お見苦しい点もあるかと存じますが、
何卒ご寛容のほどお願い申し上げます。
まだまだ勉強不足ではございますが、
一つひとつ学びながら、精進してまいる所存でございます。
今後とも温かくお見守りいただけましたら、
幸いに存じます。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。




