10.毒属性の帰還
冒険者組合
「ヴェノムが領都にいってどれくらいだ」
「結構経つよな」
「代官様に呼ばれるだけでも一大事なのにそのまま領都に連れ去られたんだよな」
「やっちまったな」
「生きてるかな」
「まあ、あいつのことだ。領主様毒殺して、かわいい給仕でも攫って戻ってきそうだな」
「わはははは」
「わはははは」
「ご主人様、こちらが冒険者組合ですか。始めて来ました」
「むさくるしいところだけど」
トリートを連れたヴェノムが入ると、冒険者組合が静まり返った。
「静かな所ですね」
「いえ、そんなことはないんだけど、どうもー戻りましたー」
そこにジストも入ってくる。
「ご主人さま、アタシも見たい」
「ヴェノムさん」
受付のお姉さんが声をかけるが、今までみたことがないくらい頬がピクピクしている。
「何かあったんですか。こんなに静かなのは初めてですよね」
「初めまして」
「あの、あなた達は」
「はい、辺境伯様の所にいられなくなりまして、新しいご主人様に一生お仕えする誓いを立て参りました!」
「トリートさん、詳しいことは無しで」
「そうですね。失礼しました」
「新しいご主人さまです」
ジストが胸を張る。
胸はないけど。
「まさか、本当に毒殺…?」
「まさか辺境伯様の娘…」
周りがざわつきだした。
「ヴェノムさんはちょっとこちらへ」
「ああ、はい」
「あなたたちは、ちょっと待っててください。場合によっては保護する必要があるかもしれません」
キョトンとするトリート達を置いて、そのまま組合長室に連れ込まれた。
組合長室
「問題はないんだな」
毒殺未遂事件の話はぼかしながら、現状を説明できる範囲で組合長に説明したが、ありのままを話せてないので組合長もまだどこか懐疑的だ。
「当り前じゃないですか。詳しいことはいえませんが何の問題もないですよ!」
「彼女たちも誘拐してきたわけじゃないんだな?」
「なんで人攫い扱いなんですか!」
組合長の誤解をといて部屋から出ると薬師組合の教授と受付のお姉さんが来ていた。
「ヴェノム!毒殺はしてないよな!」
「誘拐じゃないのよね!」
俺ってどう思われているんだ…。




