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桜の木の下で  作者: 吉野美羽
春の章
5/7

初めてのお出かけ

少し五月蝿いアラームの音が鳴り響き、深い眠りから目を覚ました。



「んっ…今日か…。」


確か今日、彼女と画材を一緒に見に行く日だ。



どんな服を着れば良いか…。



髪型は普通で構わないだろうか?



何故か普段よりそわそわしてしまう。

ただ、彼女と画材を買いに行くだけなのに…。



普段よりこ綺麗に、気取ってはいない服を選び、髪型を整えては、出かける用の眼鏡にして家を後にした。




先に待ち合わせ場所へ向かうと、少し早かったのか彼女の姿はなかった。


小さなスケッチブックを取り出しては、公園で遊んでいる子どもを見つめては描いて暇を潰していた。





「すみません、遅れました。」



息を乱しながら、彼女は10分遅れてきた。



「いえっ…。」



普段のカジュアルの服装とは違い、ふわりと柔らかいワンピースを着て髪をおろしていた。



「…可愛いですね。」


「ありがとうございます。」





ふわりと柔らかい笑みを浮かべた彼女はとても綺麗だった。








何時もの馴染みの画材店に入ったとたんに、



「おっ!彼女か?」


「なっ…、違うっ…。」


「若いな、お前も…。」



店長のおじさんにからかわれつつも、慌てながら丁寧に画材を選んでいく。



「沢山あるんですね。」



ぱあっと楽しそうな表情を浮かべては、まるで犬みたいだな…。



何考えてんだ…俺は…。



画材店を後にすると、



「お腹空いてません?良かったらお昼…一緒に食べませんか?」



そういえば、そんな時間だな…。



「俺でよければ…。」



彼女は俺の手を掴み、歩き出した。





あれ?



まるで…デートしているみたいだ。




ただのお出かけかと思っていたんだが…。





密かに赤く染まった頬は暑さのせいにしよう。




彼女に連れられては、小さな喫茶店に入った。



「ここ、私のお気に入りなんです。」


「そうでしたか…素敵な場所…ですね。」



「ここのオムライスは絶品なんですよ?」


「…じゃあそれ頼もうかな…。」


「はい、私も…一緒にします。」



彼女と同じオムライスにした。


ふわふわでとろりととろける卵とケチャップの酸味が口に広がり美味しさに頬を緩めた。




付き合ってくれたお礼に俺は彼女と一緒に調べたお店へ向かった。



可愛いらしい雑貨やアクセサリーが置いてある女の子が好きそうなそんなお店だった。



「見て下さい、これ可愛いです。」



彼女が指さした先には、可愛いらしい兎の置物があった。



「少し高いですね…諦めます。」



そう言った彼女の顔は何処か寂しそうだった…。








「今日はありがとうございました。」



綺麗なオレンジ色が空を包む時間、俺らはあの公園に戻った。



「あのっ…。」


「はい?」


「これ、今日のお礼です。」



彼女が気にいっていた兎の置物をプレゼントした。



「私っ…もらって良いんですか?」



戸惑いと嬉しさで頬を緩めた彼女は俺を見つめていた。



「もらって下さい、お礼ですから。」


「ありがとうございます…大切にしますね。」




「あのっ…また…デートしてくれますか?」



「へっ…?」



「また…デートして下さいね。」





そう照れた笑みを浮かべて、彼女は俺から立ち去った。






デート



彼女から紡がれる言葉に



俺は何度ドキドキするんだろうか?




もう少しで夏の訪れが来そうだ…。

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