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初めての約束
「木戸川さん、また明日も来ても良いですか?」
「…好きにして下さい。」
「本気にしちゃいますからね?また明日!」
慌ただしい嵐の様な人…。
彼女の第一印象はそう思った。
モノクロだった世界に、暖かいオレンジ色がぽっと色付いた。
これから沢山の色が俺の世界につくなんて、今の俺には想像がつかなかった…。
あれから…。
「木戸川さん!!」
毎日、彼女は俺の所に通ってきた。
徐々に出来上がっていく絵を何時もキラキラした表情で見つめている。
俺の拙い絵の何処が楽しいのだろうか?
俺には考えても考えてもわからなかった。
「木戸川さん聞いてますか?」
「悪い、聞いてなかった。」
「やっぱり…次の休みに画材一緒に見に行きましょう?」
「何故?」
「もうっ!木戸川さんがどんな画材使うか気になるんです。だから、一緒に行けばわかるかなって…ダメ…でしたか?」
うっ…彼女のこの甘える表情にはまだ慣れない。
何故かドキドキしてしまうからだ。
「わかりましたから、そんな表情はやめて下さい。」
「やったあ!連絡交換しましょう?携帯電話ありますか?」
「…勝手にして下さい。」
彼女は手早く連絡を交換すると
「それじゃあ、また明日。」
柔らかい笑みを浮かべて、その場を立ち去った。
よくわからないが、彼女と遊ぶ約束をしてしまった。
これが彼女との初めての約束。




