第拾壱話 本戦決勝戦
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『本選もついに決勝戦。今大会もいよいよ終わりを迎えます。では、参りましょう』
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決勝戦。
ルーキス・M・アインスフィア(Sランク2位)VSセリーナ・エインフェリア(ランク外)
『決勝戦!学内ランク現最高位とされるSランク2位のルーキス・M・アインスフィア三年生に対するは、ランク外から勝ち上がるもその戦闘センスは、あの神速の二つ名を持つ黄泉瀬神威三年生を経ったの数分で倒す実力の持ち主、セリーナ・エインフェリア三年生だ!』
「セリーナ、君に勝てないのはわかってるけど自分の全力を持って戦わせてもらうよ」
「謙遜しないで、あなたの実力は軍でもトップに入れていいレベルよ」
「勝てないのは事実だろ?」
「さあ、どうかしら。全力で来なさい」
「ああ」
『では、試合を開始します!両者準備はよろしいですね?』
「ああ」「ええ」
『両者の確認も取れました。では、始めます!
レディー、ファイ!』
始まった瞬間だった。ルークはすべての精霊を召喚し、武装化した。
様々な武器の形態を取る精霊達。セリーナが視認できただけでも、剣に槍、鞭に斧と様々だ。もちろん楯になるものもいれば鎧になっているモノもいる。
「あら、本当に全力で来るのね」
「もちろん」
「それ重くないの?」
「ないな。精霊に重さの概念はほとんどないからな。物質化(武装化)しても重さはほとんどない」
「そう、なら私も全力でいかせてもらうわ。できる限りだけど」
そう言うと、セリーナは空間を割る。出てきたのは剣の山。それが空中から降り注ぎ、剣の森とも呼べるようなフィールドが完成する。
「な!?」
「私の全力を見せると言ったわ。いちいち出しなおすのも面倒だから今まで作ったほぼすべての剣を出したわ。使いたければ使うといいわ。まあ、あなたには精霊達の武器があるし、使う必要は感じないけど」
「……そうですね」
ルークは絶句する。魔力による物質生成は魔力が切れれば消える。だが、その維持に必要な魔力だって馬鹿にはならないのだ。それを軽々とやるセリーナがやっぱり規格外なのだと再確認した。
セリーナは近くに刺さっている剣を抜くとルークに突撃を仕掛ける。もちろん、ルークも応戦するために剣精霊が武装化している剣を引き抜き、楯を構える。
そのままセリーナは袈裟切りに剣を振る。それを楯で防ぎ剣で攻撃を仕掛けるルーク。しかし、セリーナはあり得ない行動を起こした。防いだ楯にぶつけた剣を使い体を浮き上がらせそのまま剣を捨て、空中に逃げたのだ。
「んな!?」
「何の為にこの量の剣があると思ってるの?」
そう言ってセリーナは着地した場所の近くにある剣を二本引き抜き、再びルークに攻撃を仕掛ける。
「っ!
イフリート!火炎激!」
『おう!』
炎が生れ、セリーナへと迫る。それを、剣を軽く振るっただけで消してしまうセリーナ。
そのままの勢いで、ルークに切りかかるセリーナ。今度は二つの剣を使った大斬撃。それを楯ではなく背にある斧を手に取り防ぐ。防いだと同時に斧を大きく振り攻撃を仕掛けるが、まるで、背に羽根が生えているのではないかと思えるほどに空中を駆け避けてしまうセリーナ。ここまで、一分も経っていない。
「さすがね。防御が堅いにもかかわらずちゃんと攻撃まで仕掛けてくる。やりづらい」
「セリーナこそ早過ぎるし、攻撃が変則的すぎる。対応できてるのが奇跡みたいに思える」
「あら、そう?でも、これで終わりじゃないんでしょ?」
セリーナは持っていた二本を放り捨て、近くにある大剣を手に取る。
大剣を振りかぶるセリーナ。防ぐために再び盾を手に取るルーク。だが、その一撃は簡単には防ぎきれず、防いだには防いだが、勢いのまま後ろへ吹き飛ばされる。
その後も素早く動き的確に攻撃を加えるセリーナだが、一撃一撃の威力が小さくなってしまう。大剣を使えば確かに威力の大きな一撃を放てるが少し遅くなってしまう。逆に普通の剣ならば威力不足。かといって、本気の本気で攻撃すれば抜けないことはないがルークに大きな怪我を負わせかねない。
逆にルークはついていくのがやっとだった。セリーナの正体を知っているからこそ、彼女が全力ではないのはわかっているが、かと言って簡単にどうにかできるわけではない。剣が乱立しているおかげで動こうにも移動しづらいし、逃げることに意識を向けてしまえば一気に勝負を決められる。やれるのは、その場からあまり動かず、確実に攻撃を防ぎ、攻撃を加えられれば加えるというスタイルのみだった。
一方的な勝負ではあるが、こんな状況で、耐えているルークは十分すごいのだ。
試合が動いたのはそれから10分後。このままでは打開できないと考えたルークは乱立する剣をどうにかしようと考えたのだ。
「ドリアード!クエイク!
ウンディーネ!タイダルウェイブ!」
『分ったわ』『うん!』
地震により突き刺さった剣を地面から抜き、水で流したのだ。もちろん、発動と同時にルークが空中に飛ぶことで、セリーナを巻き込めたらと考えたのもある。
全ての剣は流され、スタジアムの端に行くと消えていく。どうやら、セリーナがこれ以上は無駄と思ったのだろう。
水が引くと、ずぶ濡れにはなっているが無傷のセリーナが出てきた。
「やるじゃない」
そう言いつつ、セリーナは魔法で服を乾かす。一瞬で乾く服。
「じゃあ、私の好きな獲物を使わせてもらいましょう」
そう言って取り出したのは、先端が垂直に曲がった大きな二本の大剣。
「ディシオムって名前よ。まあ、名前つける意味なんてないのだけど。これには魔法を弾く効果があるの」
「な!?」
「つまり、あなたの精霊達の魔法をあなた自身に跳ね返すことも可能ってこと。無駄撃ちすれば自分を傷付ける結果になるわよ?」
そう言って、再び攻撃を仕掛けるセリーナ。セリーナの実力を考えれば魔法は危険だと考える以上、ルークは接近戦を甘んじて受けるしかない。
だが、大剣を高速で操り攻撃を加えてくるセリーナに対応しきれるわけもなく、徐々に削られていくルーク。
「くっ!!」
「どうしたの?恐れてたらどうにもならないわよ?」
更に高速の攻撃を繰り返すセリーナ。
「敵の言葉をそのまま鵜呑みにしてしまうのはダメよ。私が嘘言っているとは思わなかったの?」
その言葉に、ルークは愕然とする。その通りなのだ。結局のところ、いくら相手がセリーナだったとはいえ、ここは戦場だ。敵の与えた情報が嘘である可能性は高いに決まっている。
「皆!」
ルークは精霊の武装化を解いた。
「何?魔法を打ち合おうと言うの?」
「ああ、俺は結構限界なんでな。悪いけど、付き合ってもらう」
そう言い、セリーナから距離を取る。
「皆、【虹の閃光】!」
ルークが使える最大の攻撃。精霊すべての力を砲撃魔法とし打ち出す魔法。
「いいわ、受けましょうか。【すべてを守りし絶対の盾】」
実は、これは全てを記せし禁断の書庫に記されているものの力を反映させた楯だ。全てを記せし禁断の書庫から発動させた方が能力が高いのだが、古代魔法として発動することにより全てを記せし禁断の書庫を発動せずとも瞬間的に発動できるためセリーナが愛用している魔法なのだ。
虹の閃光が魔法の盾にあたる。打ち合いきしむ魔法の盾。
だが、虹の閃光は盾を打ち破ることなく消えた。そして、ルークは魔力をほぼ使い果たし、倒れた。もちろん、地面に倒れる前にセリーナが支えた。
「はは、やっぱり敵わないか……」
「これだけできれば十分よ。で、どうする?まだやる?」
「やめとく。もう立つのも限界だ。皆もいいよな?」
うなずく精霊達。
「ああ、俺の負けだ」
『な、何とーーー!優勝はランク外のセリーナ・エインフェリア三年生だーーー!』
司会者の声が響き渡る。盛大な拍手も送られてくる。
これで、大会も終わりかと考えていたセリーナにまさかの言葉が聞こえてきた。
『ええ~、今しがた教師から紙を渡されました。え、読めってことですか?分りました。
優勝者、セリーナ・エインフェリア。あなたにSランク1位の生徒が戦闘を申し込んでいます……。Sランク1位!?』
会場が大きな声に包まれる。
「間違いなく。一位ってあの子よね……。暇とか言って通ってる間の話なんだろうけど」
『と、言うわけでエキシビション戦です。セリーナ・エインフェリア三年生とSランク1位の生徒の戦闘です。
試合は昨日と同じく一日開けてから行います。では、皆様ご期待を!』
司会の人物があおる。その言葉にセリーナはため息をつくのだった。
セリーナが戦うと決着が速くなってしまう。いくらなんでも補正かけすぎたかも……。
とりあえず、大会戦は終わりました。次回はエキシビション戦です。戦闘相手は分りますよね?
では!
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