↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
ー幹部を名乗る者―
237/243

③種族の特性か個人のそれか

「な、何だってぇぇl!?」

 青年が大きく一歩後退し、両手を使って大きな声で驚く。

 正確には驚いてみせた。勿論、何も面白くないし、驚くような事でもない。

 むしろ、口を開けた途端に笑わないかと、耐える方が辛かった程であった。


 だが、そんなこちらの思惑を知らず、青年の素直な反応に満足したのか、ガーヴィと名乗る男は天井に向かって口を大きく開けて笑い始めた。

「がははははは! それにしても運が悪かったな………他の人間(雑魚)共ならともかく、幹部の俺様が相手じゃぁ、万に一つも勝ち目はねぇ」

「くっ、魔王軍………それも幹部がこんな所にいるなんて! 俺の冒険もここまでなのかっ」

「………御主人様」

 悔しがるように体をやや屈めながら拳を握り締める青年に、コルティが振り返って苦笑する。

 彼女の表情に気付いた青年は、彼女の顔をちらりと見上げて舌を出す。


「会って一秒馬鹿確定の奴だぞ。何か情報が入れば儲けものだろう?」

「そ、それはそうですが………そこまで、その………あからさまですと」

「いや、あの手の奴は気付かないんだ。いやマジで」

 長年の経験による絶対的な自信から青年は顔の前で手を振り、全く心配していなかった。

 子どもの遊戯ですら、もう少し強弱があった声が出せる。控えずとも質の良い演技に見えない主人の様相に、一体誰が引っかかるというのか。メイド姿の猫亜人(バステト)は、溜息と共に前を向き直すが、目の前の狼亜人(ライカンスロープ)は腰に両手を置き、既に勝ったかのように大きな口を緩ませている。

「………どうして、狼亜人(彼等)には、こうも短絡的な者達が多いのでしょうか?」

 コルティの中で、同じ種族の知人を何人も想像するが、皆一様に同じ笑い顔が浮かび上がり、反論の根拠になる記憶が見つからなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。