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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第九章 冒険者、砦と相対する
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⑦作戦会議

「師匠。僕達の役割を教えてください」

 ロロが話を繋ごうと師に話を振る。フォースィは小さく頷くと、地面に落ちていた拳程の石を軽く蹴って俺達の中心まで動かすと、魔導杖でその周囲を軽くなぞる。

「貴方達が報告した様に、砦は高い壁と空堀で囲まれ、唯一の入口は跳ね橋の前に設置された扉一枚のみ。砦の四隅は大きな櫓で守られ、扉以外の四方から攻めようとしても即座に対応出来る造りね」

 人間よりも身体能力の高い亜人を相手にしていた時代の構造である以上、彼等より劣る人間が容易に突破できる造りでない事は、誰の目にも明らかである。


「第一陣。まずは陽動」

 フォースィが腰のポシェットから小さな白石を取り出し、砦の左右に一つずつ落としていく。

「遠距離職の多い二つのパーティが四方の櫓に攻撃を仕掛け、敵を引きつけつつ、戦力を分散させる」

 続いて、置いた白石とは異なる一片に一つ落とす。

「第二陣。牽制と欺瞞。正面扉に攻撃を仕掛け、適当な所で一度撤退する」

 こちらが退けば、正面からの突破は諦めたと判断した盗賊達が、残った四方の攻撃へとさらに人数を割くだろうと予測する。

「最後に第三陣。扉の破壊と突破」

 フォースィが扉前の部隊からやや後方に位置する場所に、石を追加で落とす。

「最大火力の魔法で扉を破壊し、手薄な内に一気に突破。周辺を確保した後、建物の中に侵入して盗賊達を随時撃退していくわ」

 中に入れば、あとは戦いでの経験と組織力がものをいう。それは冒険者達にとって最も得意とする分野である。当然ながら、弱者から金品を巻き上げてきた盗賊程度に負ける事はない。

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