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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第九章 冒険者、砦と相対する
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⑥合流

 砦から五分程度離れた森の中。

 明るさの違いから砦の方向が分かるが、向こうからはこちらを把握する事は出来ない丁度良い距離。俺達はフォースィと約束した場所で合流する。

「あら、おかえりなさい」

 先に待っていたのは彼女(リーダー)の方だった。


「取り敢えず、ぐるりと探ってきたが………簡単に突破出来るものじゃないぞ」

 扉の頑強さ、飛び越えられない堀と壁、死角のない櫓。どの方向からも森を出た途端に発見されると報告する。

「何なんだあれは。そもそも、砦は何十年も前に放棄されてたんじゃないのかよ」

「何って………盗賊達が直したんじゃないんですか?」

 アイリーンの即答に、ロロが顎に指を置く。

「ですが、修復するにしても、資材も資金も人手も馬鹿になりません。馬車で移動する商人から何度か巻き上げただけでは到底足りませんよ」

「じゃぁ、どうやって砦をここまで直せたんだ?」

 金も人も足りない、資材も集められない。ないないないづくし。直すだけでなく、劣化や破損時の予備も考えれば、数十年も昔に放棄された砦をここまで復旧させる事は出来ない。


 ロロが、はたと閃く。

「もしかして………誰かが支援している?」

「そうね。リーダー達の見解も、その方向でまとまっていたわ」

 フォースィがようやく口を開く。

「支援って………まさか盗賊達にか? 一体誰が?」

 疑問と仮説の上に積み重なっていく新しい疑問。俺の頭では、そろそろ限界に近い。


「今、そこを考えても仕方ないわ」

 リーダーの彼女が出口の見えない会話を早々に切る。

「そうですね。気になりますが、今はどうやってあの砦を突破するかを考えましょう」

 アイリーンもすぐに思考を切り替えた。

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