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②一閃の下に
互いに一振り。
コルティは右手を上から下へ、青年は左から右へと腕を払い、互いの獲物で前後の盗賊達を両断する。背後にいた亜人は、それぞれ頭上の空間から落下してきた白銀の三日月斧で縦に等分され、青年が抜いた片手剣は、五人の人間の胴を断つ。
「魔人抜刀術………『一風』」
払い終えた残心を終えた青年は、片手剣の刃に付いた僅かな赤い染みを地面に向かって払い、流れ慣れた動きで鞘に納め直す。
「御主人様の言っていた通り、賊は恐れ多くも『魔王軍』を名乗っているのですね」
コルティが指を鳴らし、地面に突き刺さったままになっていた三本の三日月斧を空間へと収納する。
「あぁ。さっきのが分からない時点で、パチモン確定だ」
生かす理由がないと青年が吐き捨てた。
そして、森の隙間から見える青空を見上げる。
空に見える鳥の黒い影が何度か旋回し、最後に南東へと飛んでいった。
「砦は向こうだ」
「あ、御主人様」
進もうと一歩を踏み出した青年を、コルティが呼び止める。
「なん―――」
振り返り、言い終える前に、青年の顔横で半透明な障壁が矢を弾く。
「お気を付け下さいと言おうかと」
「お前………わざと声を掛けたな?」
意地が悪いと、悪戯に笑うコルティに青年が口を横に広げ、荒い鼻息と一緒に腰に手を置く。




