⑪出来る事
「………大丈夫でしょうか?」
ロロが俺達の中で一番心配した表情を見せる。
「さぁな………白級で単独、それも自己責任なんだ。少なくとも楽って事はないだろうよ」
俺も素直に評価しつつ、逆説で続ける。
「考えても仕方がない。正規に依頼を受けている俺達と一緒にパーティを組む事は出来ないんだ。俺だって思う所が無い訳じゃないが、俺達は俺達で十分手一杯さ」
「仮に誘えたとしても、恐らく向こうから拒否してくると思います」
アイリーンも目を細めて彼の背中を見送るが、その口からは意味のない事だと断言する。
太陽はまだ天頂を越えていない。
彼女は青い空を一度仰いでから、俺達を一瞥した。
「向こうで情報の共有や作戦を確認している以上、フォースィさんはしばらく戻ってこられないはずです。私達は私達で、今出来る事を済ませておきましょう」
各自で武具の再点検。アイリーンは俺に食料と水、ロロには薬品関係の確認と補充、そして分配を指示する。青銅級としての彼女の経験が、俺達よりも一手も二手も早く成すべき事に気付き、指示を送っていく。
三十分が経とうとした頃、フォースィが俺達の下に戻ってくる姿が見えた。
彼女はやや疲れた表情で、穏やかな風に流れる黒髪を片手で押さえながら俺達と合流を果たすと、草原の上に四人分に分けられた荷物が置かれている事に気が付く。
「準備は終わっているようね」
「あぁ。何となくで悪いが、こっちで適当に分けさせてもらった」
均等ではない。本格的な戦闘が起きるまで、力のある俺が最も多くの荷物を持つ。そして魔法を使うロロとアイリーンには多めに薬を持つ事にした。




