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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第八章 冒険者、大討伐に参加する
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⑩孤独の白

「それじゃぁ、各パーティのリーダーはこっちに集合してくれ!」

 名も知らない戦士風の冒険者が手を大きく上げ、声を上げた。

 彼の首から銀色に光る証が見える。

 

 これから彼は何をする気なのか。俺が顎の下に指を置いていると、アイリーンが俺のすぐ後ろで立ち止まる。

「パーティごとの能力や人数等を共有して、討伐に関する役割を決めるんですよ」

「何だ………こう、早いもの勝ちだっていう感じで、一斉に森の中に入るんじゃないのか」

「………リュウさん。それだと森の中に入った途端に、誰が敵で誰が味方か分からなくなりますよ」

 近くで聞いていたロロが苦笑気味に言葉を漏らした。

「まぁ、確かに」

 森の中から突然現れた正体が、冒険者か盗賊かの区別を一瞬でつけられるかと言われれば、全くもって自信がない。俺はここにいるメンバー以外、他の冒険者の顔も名前も知らないのである。


 そこにふと、隣の馬車に寄りかかっていた重戦士に目が向く。

「あ、あいつ」

「リヴォルさん、ですね」

 昇級試験でリーダーを務めていた男。彼の首から下げている冒険者証の色から、昇級出来なかった事が伺える。

白級(ホワイト)がここにいるって事は―――」「誰かさんと一緒で、自己責任での参加って事だ」

 アイリーンの言葉に、俺が意地悪く言葉を乗せる。

「見た所、支援も回復役もいないようですね」

「報酬もないのに………ご苦労な事だ」

 大方、盗賊団を討伐した実績が欲しいのだろう。彼自身がどんなに弁護しても、あれだけの失態を(おおやけ)の試験で晒してしまった以上、周囲の目は厳しくなる。ならばと自己負担覚悟で自身の評価を高めようとするに違いない。

 俺は昔の自分を参考にしながら、彼の心情を読み解いてみた。


 リヴォルがこちらの視線に気付く。だが、彼はすぐに顔を背け、森の方角へと歩いて行ってしまった。

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