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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第八章 冒険者、大討伐に参加する
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⑧森へ

 グーリンスの南部に広がる草原を超えると、そこには山脈にぶつかるまで奥深い森が広がっている。アリアスにあった魔女の森の様な特殊な環境ではないが、時折野盗や蛮族、野生動物の被害が目撃されていた。

 だが、そういった出来事はこの森に限った事ではない。

 街から街へと移動する際には、ある程度の危険(リスク)が存在しており、この森も他にも漏れず『運が悪かった』という程度の発生率をもっている。

 だが、盗賊の規模がここまで大きくなり、青銅(ブロンズ)級冒険者が返り討ちに遭う程の事態は、誰も想定していなかった。



「随分と集まったな」

 馬車が二台同時に入れそうな道が続く森の前で停まった複数の馬車。俺は、そこから次々と降りてくる同業者達を眺める。

 戦士、盗賊、弓手、魔法使いといった王道な職業から、鞭をもった冒険者、武器を持たない軽装の冒険者等、一目では職業が分からない者達もいた。だが、参加者の全員が青銅半級(ハーフブロンズ)より上位の冒険者達である以上、それなりに腕に覚えがある事は間違いない。


「何で自己責任なのに、馬車に乗れるんだよ」

 俺は隣の馬車から降りてきた、白級冒険者(初心者)に言葉を送る。

「あぁん? 金を払ったからに決まってるだろう?」

 参加した冒険者達の移動にかかる経費は、全て冒険者ギルド、行き着く先は領主持ちである。多くはないが食料や水、医薬品も各馬車に積んである。依頼が終われば、これらも戦利品として各冒険者に配布されるらしい。

 俺は最後に降りてきた彼の付き人であるコルティに睨まれ、早々に視線を逸らす。

 とにもかくにも、大口からの依頼だけあって、今まで受けた事がない程に大盤振る舞いである。

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