④心強い味方
アイリーンも目を大きくさせていた。
「………フォースィさんも手伝ってくれるのですか?」
「へ?」
彼女の視線に、フォースィが目を瞑り、小さく片頬を上げる。
「乗り掛かった舟というのかしらね、こういう時は。私が昇級させた途端に死なれると、こっちも何かと困るのよ」
「っ!? 是非お願いします!」
「あ………そういう事」
会話の流れが、ようやく理解できた。
アイリーンが俺達に視線を送ってくる。
黄金級冒険者がパーティにいるだけで生還率は遥かに高まる。彼女の性格には、やや慣れない点が多いく含まれるが、周囲の冒険者達が言葉を失って俺達を見ている事実だけでも、断る理由はない。
報酬の二割しか手元に来ない不満はあるが、命には代えられない。ロロと合わせれば、最低でも金貨が二枚手に入ると考えて頷く事にした。
「分かった。それで構わない。ロロも、構わないな?」
「はい。フォースィさん、よろしくお願いします!」
「交渉成立ね」
ここだと俺は、温めておいた秘策を口にする。
「早速で相談なんだが、冒険解説職を同行させないか?」
「あ、ショーンさんですね」
ロロも彼の知識と助言はさらに成功率を高めると頷き、すぐに賛成へ回る。アイリーンにとっては、仲間との一件で複雑な心境が蠢いているのか、表情にその感情が滲みつつも感情論以外で反対が出来ず、無言を貫いていた。
だが、反対とは異なるが、話を折る回答がフォースィの口から出される。
「ショーン? あら、残念。その人は今回冒険者側で参加するそうよ?」
「………は?」
初めての展開だった。
「ほら、あそこで似合わない顔で気難しそうに立ってるわ」
フォースィが顎でくいと位置を示す。
確かに、いつもと同じ装備のショーン、そしてメイドのコルティが部屋の隅で立っていた。




