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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第八章 冒険者、大討伐に参加する
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④心強い味方

 アイリーンも目を大きくさせていた。

「………フォースィさんも手伝ってくれるのですか?」

「へ?」

 彼女の視線に、フォースィが目を瞑り、小さく片頬を上げる。

「乗り掛かった舟というのかしらね、こういう時は。私が昇級させた途端に死なれると、こっちも何かと困るのよ」

「っ!? 是非お願いします!」

「あ………そういう事」

 会話の流れが、ようやく理解できた。


 アイリーンが俺達に視線を送ってくる。

 

 黄金(ゴールド)級冒険者がパーティにいるだけで生還率は遥かに高まる。彼女の性格には、やや慣れない点が多いく含まれるが、周囲の冒険者達が言葉を失って俺達を見ている事実だけでも、断る理由はない。

 報酬の二割しか手元に来ない不満はあるが、命には代えられない。ロロと合わせれば、最低でも金貨が二枚手に入ると考えて頷く事にした。

「分かった。それで構わない。ロロも、構わないな?」

「はい。フォースィさん、よろしくお願いします!」

「交渉成立ね」


 ここだと俺は、温めておいた秘策を口にする。

「早速で相談なんだが、冒険解説職(チュートリアラ―)を同行させないか?」

「あ、ショーンさんですね」

 ロロも彼の知識と助言はさらに成功率を高めると頷き、すぐに賛成へ回る。アイリーンにとっては、仲間との一件で複雑な心境が蠢いているのか、表情にその感情が滲みつつも感情論以外で反対が出来ず、無言を貫いていた。

 だが、反対とは異なるが、話を折る回答がフォースィの口から出される。

「ショーン? あら、残念。その人は今回冒険者側で参加するそうよ?」

「………は?」

 初めての展開だった。

「ほら、あそこで似合わない顔で気難しそうに立ってるわ」

 フォースィが顎でくいと位置を示す。

 確かに、いつもと同じ装備のショーン、そしてメイドのコルティが部屋の隅で立っていた。

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