②敵討ちの少女
白級冒険者お断りの、領主直々の大盤振る舞い。相手は烏合の衆の異名を欲しいままにしている盗賊団の壊滅。この情報だけならば、多くの冒険者達にとって運が良いと笑うべき話である事は間違いはない。
「話が旨すぎると思うのは気のせいか?」
金貨の報酬は非常に大きい。白級では銀貨数枚、青銅半級でも十数枚が相場である。ロロと合わせれば、宿と食事には当面苦労しなくなる所か、一つ二つ程度の装備が新調出来る。
だが、青銅半級になったばかりの不安が残っているのか、いつも以上に冷静になるべきだと訴える自分がいた。
「………どちらとも言えそうな位には」「決め手に欠ける、か」
情報が不足している。だからロロもこの話を決めかねていた。手元にある事実は、俺達よりも遥かに慣れていたシランド達が、あれだけの怪我を負わされたという一点のみ。
「受けましょう」
声は女性。俺達の横から割り込んできた。
「………アイリーン」
向けば、目の周りを擦り、赤く腫らした彼女が立っていた。
「私は仲間の仇を討ちに行きます………そして出来れば、見知った貴方達と臨時のパーティを組んでいただけると助かります」
支援と回復が使える職業は、どのパーティからも重宝される。だがアイリーンは、互いの能力や性格をある程度知った冒険者と組む事を望んでいる。
「それはいいですね。是非―――」「待て」
ロロの即答に対して、俺は腕を伸ばして静止させた。
「悪いが、いくつか確認させてくれ」
「どうぞ」
アイリーンも、特に表情を変える事なく俺の言葉に応えた。
「パーティのリーダーは、青銅級のお前が務める事になるが………構わないか?」
パーティと聞く度に、俺は責任の所在を真っ先に確認するようになっていた。




