③証
「リュウさん!」
ギルドの待合広場の長椅子に座っていたロロが立ち上がり、ここだと手を大きく振る。
隣ではアイリーンが疲れた顔のまま座っていた。
「待たせたな」
二人と合流する。
「その表情からすると、あなたも合格したようですね」
アイリーンが遅れて立ち上がる。
「あなたもって事は、二人も合格なのか?」
「はいっ! 一年もしない内に青銅半級ですよ!」
「私は、及第点で青銅級ですけどね」
ロロとアイリーンも思わず頬が緩む。
だが、二人の首にかかっている冒険者証の色は変わっていない。
「おるぁっ、そこの三人! さっさと来なさいヨ!」
いかつい怒声と女性言葉が混ざった太い声に、俺達の背筋が本能の如くまっすぐに伸びた。
振り返ると、受付の奥で人差し指で招く姿の怪物、もといドリス穣がいた。
「早くしなさいヨ。後がつかえてるんだから!」
「「「は、はい!」」」
これ以上待たせると、ただでさえ瀕死の受付机の命数を使い果たす勢いで迫りかねない。俺達は痛みが残る体に鞭打ち、全力で受付へと向かった。
「それじゃぁ冒険者証を出しなさい」
素直に俺達は首にかけていた冒険者証を外し、机上に並べる。
「………確認したワ。少し待ってなさい」
ドリス嬢が三人分の冒険者証を右手に握り締めて机の中へと戻す。そして、すぐに別の場所から三人分の新たな冒険者証を机上に置いた。
白と彩度の低い青銅色が半分ずつ占める冒険者証が二本、完全に青銅色に染まった冒険者証が一本。
「おめでとう。これで貴方達も一歩前進ヨ!」
「………ついに、か」
それぞれが一本ずつを受け取って眺める。若干光沢が弱い青銅半級の冒険者証は、初心者と笑われやすい立場から、冒険者として稼いでいる身分の証明となる。一人前と呼ばれるにはアイリーンの等級まで証を進める必要があるが、それでも俺やロロにとっては大きな前進である。




