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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第七章 初級冒険者、帰還する
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③証

「リュウさん!」

 ギルドの待合広場の長椅子に座っていたロロが立ち上がり、ここだと手を大きく振る。

 隣ではアイリーンが疲れた顔のまま座っていた。


「待たせたな」

 二人と合流する。

「その表情からすると、あなた()合格したようですね」

 アイリーンが遅れて立ち上がる。

「あなたもって事は、二人も合格なのか?」

「はいっ! 一年もしない内に青銅半級(ハーフブロンズ)ですよ!」

「私は、及第点で青銅級(ブロンズ)ですけどね」

 ロロとアイリーンも思わず頬が緩む。

 だが、二人の首にかかっている冒険者証の色は変わっていない。


「おるぁっ、そこの三人! さっさと来なさいヨ!」

 いかつい怒声と女性言葉が混ざった太い声に、俺達の背筋が本能の如くまっすぐに伸びた。

 振り返ると、受付の奥で人差し指で招く姿の怪物、もといドリス穣がいた。

「早くしなさいヨ。後がつかえてるんだから!」

「「「は、はい!」」」

 これ以上待たせると、ただでさえ瀕死の受付机の命数を使い果たす勢いで迫りかねない。俺達は痛みが残る体に鞭打ち、全力で受付へと向かった。


「それじゃぁ冒険者証を出しなさい」

 素直に俺達は首にかけていた冒険者証を外し、机上に並べる。

「………確認したワ。少し待ってなさい」

 ドリス嬢が三人分の冒険者証を右手に握り締めて机の中へと戻す。そして、すぐに別の場所から三人分の新たな冒険者証を机上に置いた。

 白と彩度の低い青銅色が半分ずつ占める冒険者証が二本、完全に青銅色に染まった冒険者証が一本。

「おめでとう。これで貴方達も一歩前進ヨ!」

「………ついに、か」

 それぞれが一本ずつを受け取って眺める。若干光沢が弱い青銅半級(ハーフブロンズ)の冒険者証は、初心者と笑われやすい立場から、冒険者として稼いでいる身分の証明となる。一人前と呼ばれるにはアイリーンの等級まで証を進める必要があるが、それでも俺やロロにとっては大きな前進である。

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