↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第七章 初級冒険者、帰還する
194/251

②相応の成果

「昇級? 合格って事ですか?」

「えぇ、昇級。青銅半級(ハーフブロンズ)よ。良かったわね」

 フォースィに眉を潜められ、棒読みされる。

「いや、だって………あれだけ失態を」

「誰も完璧な依頼をしろとは言っていないわ。それに、依頼が常に成功するとも限らない。ギルドが最も評価すべきは、等級に相応しい冒険者として、正しく振舞えたか。その一点のみ。勿論、成功するにこした事はないけれど、それだけでは判断しないの」

 フォースィは今一度異なる表現で、今回の依頼を評価する。

「私兵がいたとはいえ、白級冒険者(ホワイト)のみで構成されたパーティが、あれだけの襲撃を受けて全滅しなかった。それ所か、依頼人を無傷で守り抜き、積み荷の一部も残す事に成功した。そして、目的地まで混乱する事なく辿り着いたのよ? それのどこが不満なのかしら?」

「いや………リーダーと揉めたし」

「それこそ、リーダーの問題ね。少なくとも、貴方達はリーダーに助言した、しかしリーダーが採用しなかった。その時点で、貴方達に責任はないわ」

 むしろ、リーダーを務めたリヴォルが無能だと、フォースィが吐き捨てる。

「彼には、もう一度、白級(ホワイト)として学び直してもらいましょう。そうね………一年くらいかしら」

 目が細まり、小さく肩が揺れている。

 この人には逆らってはいけない。俺はコルティと同じ気配を瞬時に嗅ぎ取った。


 フォースィが改めてこちらに視線を戻す。

「そういう訳で合格。でも、青銅半級(ハーフブロンズ)からが本番よ。受けられる依頼が増える分、責任も増えるし、それこそ死ぬ確率も跳ね上がるわ」

「だが、稼ぎも跳ね上がるんだろう?」

 俺は強くなって金を稼がなければならない。

「そうよ。ま、精々、長生きしなさい」

 フォースィが扉を開けた。

「新しい冒険者証と報酬は、受付で貰いなさい」

「分かりました」

 用は全て済んだと、彼女が目を瞑る。

 俺は立ち上がり、無言のまま扉へと向かう。そして彼女の横で立ち止まると小さく、しかし丁寧に頭を下げてから部屋を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。