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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第六章 初級冒険者、勝者を考える
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④勝利の責任

 ロロがいつもより重そうに腰をゆっくりと上げる。

「リュウさん。これからどうしますか?」

 もう襲撃はないだろうと彼は自分の予測を語尾に付け加えた。

 だが、それすら危険な思考かもしれない。どちらにせよ、ここから離れるべきである。俺はそう考えるに至る。


「………リーダー(あいつ)に聞くしかないだろうよ」

「こう言っては何ですが………使いものになるのですか?」

 未だに地面と言い争っている男に、アイリーンが厳しい目と言葉を送った。

 俺は他人事に思えない彼の姿に、胸の中で静かな痛みに耐える。

「そう言うなよ。逃げられたとはいえ、少なくともリヴォル(あいつ)がいなければ、猪亜人(オーク)を抑えきれず、先頭の馬車も守り切れなかった」

 それに、と俺も彼の方を向く。

「リーダーを()()()以上は、最後まで立ててやらないとな」

 強引ではあったが、俺達も彼がリーダーになる事に異論を挟む余地はあった。だが、それを行使しなかった。その意味においては、全てを彼の責任として扱うには抵抗があった。

「じゃぁ、他の誰かがリーダーになって、この戦いが無事に終えられたかと言われれば………俺も自信はなねぇよ」

 リーダーとはいえ、初対面の人間に真っ当な指示が出せるか、奇襲を受けて冷静さを保っていられたか、集団の動きを把握して判断や指示が逐一下せたか、どれ一つ確証はない。正直、俺でも似たような結果になっていたかもしれない。

 俺の言葉に、ロロもアイリーンも口を静かに閉じ、不運な主役(リヴォル)を見つめていた。

「ま、声をかけてくる。話をしない事には進めないからな」

 結果とは別に、今は行動するしかない。

 俺はリヴォルの下へと向かった。


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