④勝利の責任
ロロがいつもより重そうに腰をゆっくりと上げる。
「リュウさん。これからどうしますか?」
もう襲撃はないだろうと彼は自分の予測を語尾に付け加えた。
だが、それすら危険な思考かもしれない。どちらにせよ、ここから離れるべきである。俺はそう考えるに至る。
「………リーダーに聞くしかないだろうよ」
「こう言っては何ですが………使いものになるのですか?」
未だに地面と言い争っている男に、アイリーンが厳しい目と言葉を送った。
俺は他人事に思えない彼の姿に、胸の中で静かな痛みに耐える。
「そう言うなよ。逃げられたとはいえ、少なくともリヴォルがいなければ、猪亜人を抑えきれず、先頭の馬車も守り切れなかった」
それに、と俺も彼の方を向く。
「リーダーを任せた以上は、最後まで立ててやらないとな」
強引ではあったが、俺達も彼がリーダーになる事に異論を挟む余地はあった。だが、それを行使しなかった。その意味においては、全てを彼の責任として扱うには抵抗があった。
「じゃぁ、他の誰かがリーダーになって、この戦いが無事に終えられたかと言われれば………俺も自信はなねぇよ」
リーダーとはいえ、初対面の人間に真っ当な指示が出せるか、奇襲を受けて冷静さを保っていられたか、集団の動きを把握して判断や指示が逐一下せたか、どれ一つ確証はない。正直、俺でも似たような結果になっていたかもしれない。
俺の言葉に、ロロもアイリーンも口を静かに閉じ、不運な主役を見つめていた。
「ま、声をかけてくる。話をしない事には進めないからな」
結果とは別に、今は行動するしかない。
俺はリヴォルの下へと向かった。




