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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第一章 初級冒険者、護衛を経験する
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③森を抜けると、そこは広大な草原

「街を出て、一時間。隣街まではまだ半日以上、か」

 隣街のグーリンスまでの商人と積み荷の護衛。道中の休憩はあるが、野営を必要としないという意味では、非常にやりやすい依頼でもある。

 だがそれでも、盗賊や蛮族の襲撃が全くないとは言い切れない。街と街の間は常に犯罪と隣り合わせなのである。


―――らしい。


 全ては、今まで聞いてきた冒険者や商人達が話した内容の統合物。恥ずかしい話だが、俺は故郷からアリアスの街に入り、それっきりの生活だった。近郊の薬草採集や迷宮の採掘程度で、誰かの護衛どころか、隣街にも行った事がない。

「………あまり知った風な言葉を並べても、ダサいだけか」

 俺の悪い癖だと、額を小突く。

 そうやっていつも、多くの人の感情を逆撫で、迷惑をかけてきた。無意識に、無関心に、自分本位で発してきた言動が原因で、俺は自分が強くなれる機会を何度も逸してきたのである。

「集中、集中。今は、依頼の遂行を第一に考えよう」

 馬車が一瞬、上へと突き上がる。恐らく車輪が石を踏んだのだろう。



 アリアスの街を出発して森を抜けるまでに約四時間弱。

 馬車が初めて停まった。


「よおぉし! ここで一旦休憩を取るぞ。皆降りてくれ!」

 パーティリーダーのシランドが軽快に馬車を降りると、前から順番に馬車の側面を軽く叩きながら、休憩の指示を飛ばしていく。

 俺とロロが乗る馬車も例外なく叩かれ、二人で顔を合わせてから馬車を降りた。

 長いようであっという間の時間だったが、目的地まで残り二、三時間の距離。いっその事、そのまま進んでしまえばと思ったが、手慣れた冒険者達の目線からすると、この辺りが休憩のタイミングらしい。

 後方では、褐色肌の大男のダッカ―が軽く手を上げ、リーダーの指示が通った事を合図する。


「森を抜けると、随分と広い所に出るんだな」

 初めて見た。

 街道といっても整地しただけの土道だが、馬車が二台は通れる広い幅。それ以外は緑の絨毯が広がる広大な草原が続いている。

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