124/128
②物資の行く先
「………狙いはどこだ」
青年は、街の目的が大規模な戦いに備えたものだと判断した。
「まさか、王都………という訳ではないだろう?」
この国はかつて昔、隣国との戦争に勝利し、その国を併呑する事で大陸の中でも一、二を争う大国となった。それを内戦によって分裂を図るには、戦力も時期も周辺国の動向も不十分だと青年が冗談交じりに語る。
「近隣国の情報が届くには、多少の時間がかかりますが、現在不穏な動きは観測されていません」
「一番好戦的なのは、南のサージリア教皇国だが」
ウィンフォス王国の南にある巨大な山脈の先にある宗教国家。今でこそ王国とは良好な関係であるが、先の戦争以前は、時折国境を侵して嫌がらせの類を繰り返してきた歴史がある。
「ゼロとまでは言い切れませんが、元々食料生産に乏しい砂漠地帯を占める国です。戦争を起こすのであれば、流石に兆候が出ると思います」
「逆に言えば、王国が殊更に攻める理由もない、か」
コルティも青年の考えを肯定しつつ、恐らくと言う情報を口にした。
「ケリケラからの最終報告待ちですが、目的は恐らく—―――」
その時、馬車が停まった。




