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Lost13 無名の青年が無名で終われる物語  作者: JHST
第十一章 初級冒険者、生還する
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⑫二つに一つ

 悔しいが、ショーンの言動に無駄がない。冒険解説職(チュートリアラ―)どころか、もっと上の冒険者としても、十二分に通用するかもしれない。

 親しくなったと言い難いが、謎の多い人物である。


「さて、リュウにも伝えておく事がある」

 ショーンが横を通った給仕に二人分の飲み物を注文した。

「先程の商人護衛の件だが、俺達も一緒に隣街のグーリンスに行く事になった」

「隣街………一緒?」


 二人分の飲み物がテーブルに届けられる。

「王都の冒険者ギルドに召還された………つまり、異動だ。ここには戻ってこない………当然、コルティとティリアも一緒に行く事になる」

 ショーンが冷えた麦茶を手に取り、半分を一気に飲み干す。

「………お前はどうする?」

「どうするって………何故俺に聞くんだ?」

 俺も出された木製のコップを掴むが、そのまま動きが止まる。

「何故も何も、リュウ。お前は俺の生徒だ。まだまだ生意気ではあるが、それでも声もかけずにいなくなる程、俺も甲斐性なしじゃない」

 どうするも聞かれても、すぐに答えが出てこない。


 視線が泳いだ表情を見られたのか、ショーンは指を二本立てた。

「選択肢は二つ」

 一つ。このままアリアスの街に残る。

 一つ。共にアリアスの街を出る。

 その後の道は複数あれど、最初の一歩はこの二つしかないと言い切られた。

「お前との約束は守る。仮にこの街に残ると決めても、俺はお前が金を用意するまで、ティリア(あいつ)を預かっておく」

 心配はないと、ショーンが言葉で背中を支えにくる。


「お、俺は………」

 シランドやダッカ―は、商人護衛の依頼でこの街を出ていくが、その先は分からない。

 ロロは、あいつだったらどうするだろうか。つい最近まで他人だった顔ぶれが、いつしか俺の選択肢を影響する位置にいた。

 ショーンが残った麦茶を一気に飲み干し、空になったコップをテーブルに置く。

「今決める必要はない。まぁ遅くとも、俺達が出ていく日までに答えてくればいい。一応、商人が乗る馬車にお前の名前も入れておく」

「あ、あぁ………済まない」

 それが今の俺の精一杯だった。

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